「令和の学校」ってどんな学校 No59 曽爾村立曽爾小中学校(施設一体型義務教育学校)
ススキの名所として名高い曽爾高原は、今大勢の観光客で賑わっている。また、高原にある国立曽爾青少年自然の家では、キャンプや野外活動など、自然体験を学ぶ小中学生の元気な声が溢れている。名張市や伊賀市をはじめ、三重県・奈良県の子どもたちにとって、一度は訪れた場所であろう。そんな曽爾高原から下に目をやると、とんがり帽子の赤い屋根が見える。これが今回訪れる曽爾義務教育学校である。前回訪れたのは今年3月。平成2(2020)年4月に義務教育学校としてスタートして、2年経ったところであった。曽爾村教育委員会の指導の下、森川敏和校長が2年間を総括し、新たな取り組みがなされている。義務教育学校の成果や課題について伺った。
まず、義務教育学校について。
平成14(2002)年、村内にあった2小学校が統合され、「曽爾村立曽爾小学校」としてスタートした。平成28(2016)年の学校教育法改正で、小学校6年と中学校3年という区別をなくし、9年間の学びを行う小中一貫の義務教育学校設置が可能となった。村内の児童生徒数の減少ということもあり、2つの校舎で別々に教育を行うより、「学びの連続性」や小6から中1へのいわゆる「中1ギャップ」の解消、スムーズな移行ができることなどから、関係者の話し合いを経て、村教委の決定となった。そして、中学校を改修し、小中が同じ校舎で学習するようになったのを機に、施設一体型の義務教育学校が開校した。義務教育学校と言うと、山間へき地の小規模校というイメージがあり、実際本校を含め奈良県内の4村4校が、児童生徒数が9学年合わせて100人未満である。しかし今年から、奈良県西部、大阪府と隣接する王寺町の3小学校と2中学校が、統合再編され、2つの義務教育学校となった。どちらの学校も児童生徒数が900人以上の規模であり、「義務教育学校イコール山間へき地の小規模校」ではないと言える。やはり、9年間の学びの連続性が担保できるということが最大のメリットかと思う……
続きは令和4年10月29日号の伊和新聞に掲載しています。
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