「令和の学校」ってどんな学校 No66 三重県立あけぼの学園高等学校
名阪国道を走っていると御代ICの近くに立派な校舎が見えてくる。「三重県立あけぼの学園高校」の名前が運転中のドライバーに興味を抱かせる。学校のある地名が校名となっている学校はたくさんある。「あけぼの学園高校」のいわれは何かな。興味を持って校内に入れていただく。案内された校長室には、笑顔の柘植三治校長。「どうぞ、こちらにおかけください」と穏やかで丁寧な話しぶりに、親近感を覚え緊張の心がほぐれる。
あけぼの学園になってどれぐらいになるか。
本校は1948(昭和23)年に、三重県上野南高等学校西柘植分校(西柘植小学校の一部仮校舎)として開校。翌年三重県上野高等学校西柘植分校に、1955(昭和30)年に三重県上野高等学校春日分校に校名変更した。1957(昭和32)年、現在地に校舎を新築し移転。1961(昭和36)年に全日制普通科を、翌年全日制家庭科を設置し、1968(昭和43)年、三重県立伊賀高等学校として独立開校した。その後設置されていた学科やコースの改編等が行われ、1998(平成10)年4月1日に、全日制普通科高校から全日制総合学科を設置する、現在の「あけぼの学園高等学校」としてスタートを切った。校名の「あけぼの」であるが、校内にあけぼの杉(別名、メタセコイヤ)が植わっていることもあるが、伊賀市川東に立地するところから「夜明け」「のぼる太陽」など、これからの時代を象徴する高校に、未来に向かって生きる人間を育てる高校に、楽しく充実した学びができる学園になることを期待しての命名であったのでは、と思う。
総合学科とは。
国語・数学などの普通教科を中心に学ぶ「普通科」と、農業・工業・商業・福祉などの専門教科を中心に学ぶ「専門学科」に並び、第三の選択肢として、1994(平成6)年に導入された制度で、先ほども言ったとおり本校は1998(平成10)年に設置している。多くの科目から、進路や興味などに応じて自分にあった科目を選べるのが特徴である。現在、大きく分けると4つの系列に区分されるが、コース制とは異なり、系列を飛び越えて選択することができる。1年生では、自己の進路への自覚を深めるとともに、今の社会のことなど将来の職業生活の基礎となる知識・技術等を学ぶため、総合学科の生徒の必須科目の「産業社会と人間」をはじめ、全員が同じ教科を履修する。2年生になると、多種多様な科目が選択科目として開講されているので、進学や就職に向けて、それぞれの系列に分かれての学習が始まる。したがって各教科の授業は少人数で行えるので、きめ細かい丁寧な指導が行える。
入学後、途中での進路希望変更は可能か。
職業系の高校であれば、入学時に学ぶ教科がある程度決まっている。例えば私は商業の教諭であったが、入学してから「簿記」が嫌いでも必修であるため、どうすることもできないし、学校に来ることが嫌になる生徒もいる。しかし本校の場合は、1年かけて進路について考え、履修する教科を選択することができる。これは生徒にとっても大変大きなことだと思うし、総合学科の良さだと思う。明確な目標や進路を持っている人はもちろん、まだ定まっていない人や夢が見つかっていない人でも、色々な科目を選択できるし、自分の適性や可能性を試せる学校であると言える……
続きは令和5年2月11日号の伊和新聞に掲載しています。
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