いが再発見 No209 名張ユネスコ協会 サツマイモ苗の植え付け
結成45年目を迎えた「名張ユネスコ協会」はこのほど、名張市内の企業で働くインドネシアの若者9人と一緒に青蓮寺公民館近くの「名張ユネスコファーム」と呼ばれる畑でサツマイモ苗の植え付けを行った。同協会が目的とする多文化交流の一環。市内には1100人を超える外国人が働いているが、農業体験を通じて地域と外国人が交流するのは初めての試み。耕野一仁(こうの・かずひと)会長(73)は「名張市にはブラジル人をはじめ、アジアから来られたフィリピン、ベトナムなどの方々もおられるので、今後はその人たちとも順次、活動を広げていきたい」と話した。秋にはサツマイモの収穫祭を予定している。
青蓮寺公民館から歩いて7、8分。山ゆり観光所から農道を少し入ったところに「名張ユネスコファーム」がある。三角形の角地。300平方㍍の広さで、周りはイノシシなどの害獣の侵入を防ぐため金網のサクが張られている。ここに幅30㌢ほどの畝(うね)を5つこしらえ、サツマイモ苗を植えるのである。この日、参加したインドネシアの若者は21歳から23歳までの9人。手始めに地元の人が手前から向こうの端までピンと糸を張る。長さは10㍍もある。畝とは作物を植えるため、間隔を置いて土を筋状に高く盛り上げることだが、その畝をまっすぐに作るための工夫だ。
参加者にクワが渡され作業が始まる。若者でもクワに手慣れた人と初めての人では動作が違う。上手に使っているのがムディさん(22)だ。「インドネシアの自宅では小さいころからクワを使っていました。もちろんスイートポテト(サツマイモ)も作っていましたし、水田では田植えをしたことがあります」
この畑のすぐ下には田植えがすんだばかりの水田が広がっている。「日本では機械で田植えをしますが、母国ではみんな苗を手で植えています」とムディさん。水田の風景を見てちょっぴり故郷を思い出したようだ……
続きは令和4年6月11日号の伊和新聞に掲載しています。
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