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いが再発見 No176 名張川で「木津川上流発見講座」

淀川水系木津川の支流である名張川にはどんな生き物がすんでいるかを調べる今年第1回目の「木津川上流発見講座」が今月初旬、名張市新町の「やなせ宿」と近くの名張川河川敷で行われた。父兄同伴で参加した小学生は、木津川上流管内レンジャー事務局の講師から川の水質や木津川水系には60種ほどの魚がいると教えられた後、実際に名張川に入り、タモでサカナや水生昆虫などを捕獲した。捕まえたアメリカザリガニが外来種で、古来のニホンザリガニとは全く違うこと、最悪の汚れた水の中でも生きられると聞いて子どもたちは驚いていた。
この日、川に入る前に講師の中尾博行さん(44)らが実際にバケツでくんできた名張川の水の水質検査から授業は始まる。1つのバケツには名張川本流からくんだもの。もう1つは同じ名張川でも生活水が流れ込む用水路の水が混ざる川からくみ上げた。2つを比べて水質を調べるのである。CODパックテストと呼ばれる方法で、薬品を使い、色の変化で水の汚れ(COD)を検査するのである。ボード板には4種類の水質基準が表示してある。①きれい②ややきれい③汚い④とても汚い。中尾さんが大体の目安の数字を挙げてくれる。「きれいな水は1以下。普通の魚がすめるのは3~5くらい。とても汚いのは8以下。例えばジュースだと6万の数字になります」
さて、名張川はどの程度の水質なのだろうか。さっそく実験が始まる。小さなポリエチレンチューブの中の試薬と川の水を反応させて色の変化を見るのである。中尾講師に教えられて子どもたちはチューブに水を入れていく。待つこと4分。だんだん色が変わってくる。名張川本流はピンクで数字は4。一方の用水路の水は薄い青色で数字は8。やはり本流の水の方が水質はいいのだ。
次に中尾さんが透視度計と呼ばれる別の水質検査器を持ち出す。直径3㌢、長さ1㍍の筒にそれぞれくんできた水を入れ、透明度をはかるのである。「上からのぞいて底まで見えるかやってみてください」と中尾さん。本流の水をのぞいた子どもが答える。「底までよく見えます」。一方で用水路の水の筒をのぞき込んだ子どもが答える。「下まで見えません」
けっきょく用水路の水は44~45㌢に水を減らさないと底が見えなかった。これで肉眼でも本流の水の方がきれいなことが分かったのである……

続きは8月21日号の伊和新聞に掲載しています。
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