いが再発見 No199 第17回「伊賀学検定」
伊賀地域の歴史、文化、風土などについて幅広い知識が問われる第17回「伊賀学検定」(主催・上野商工会議所など)が20日、伊賀市上野丸之内のハイトピア伊賀と東京会場の三重テラス(東京・中央区日本橋室町)の2か所で開かれた。受検者は8歳の小学生から84歳の女性までの幅広い層で、初級、中級、上級を合わせて108人が挑戦。伊賀会場では地元をはじめ、西は大阪、兵庫などの各府県、東は愛知からもやってきた受検者は真剣な表情で問題に取り組んでいた。合格発表は3月1日の上野商工会議所ホームページで発表される。
ハイトピア伊賀会場では初級から上級まで3回の試験が行われた。初級の受験者は42人。50問で四者択一方式の出題。今回17回目となるが、初回から検定問題を作成しているのが建築家の滝井利彰さん(73)で、文化財保護委員でもある。初級は正答率70㌫以上が合格範囲だといわれるが、滝井さんに作成のねらいを聞いてみる。「合格する基本は先日、行われた受検者向け対策セミナーの内容と5年ぶりに改定した『伊賀学検定』を読んでもらうこと。もちろん、ここ1~2年のタイムリーな問題も入れておきましたが」
制限時間は30分。受検者の中には早々と解答を片付ける人もいれば、タイムアップ寸前まで問題とにらめっこをする人も。
終わってほっとしたところで、伊賀市内に住む受検者の一路陽菜(いちろ・はるな)さんに動機を聞いてみる。まだ20代の女性で、初めての受検だという。「来年から伊賀市内の企業に就職することが決まりました。これを機会にもっと伊賀のことを知っておきたいと思って受検しました」
ただ、結果には多少の不安もあるという。「ドリル(伊賀学検定)通りの問題もありましたが、やっぱり発表を見なければ安心できません。ただ初級に合格すれば中級にもぜひ挑戦してみたいです」
どんな問題が出たのか関心があったので、試験終了後に出題された問題を同商工会議所の方から見せてもらう。第1問。作家、司馬遼太郎の小説「梟(ふくろう)の城」は上野盆地のどこの峠から始まりますか。桜峠、長野峠、野麦峠、御斎峠(おときとうげ)の4つから選ぶもので、正解は御斎峠。第2問。伊賀上野にはかつて芭蕉翁ゆかりの「芭蕉五庵」がありましたが、そのうち現存するのはどれか。4つのうちから選べというもの。蓑虫庵が正解。これくらいは他府県の人でも分かる。ここまでは私も正解だった。タイムリーな設問もある。現在、放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、平氏一門で源頼朝の助命歎願をした伊賀ゆかりの武士はだれ?と問いかけるもの。平重盛、平将門などが上がる中で平宗清が正解。ついでに名張に関係あるものを探す。あった。名張の枕詞である「おきつも」の由来を尋ねるもので、この枕詞の入っている歌集は何か、という問い。正解は万葉集。もっと名張関係があるのかと最後まで探したが結局これ1つだけ。それがちょっぴり残念だった。
ほかの問いもある。上野高校明治校舎の建物は何様式かとか、忍術秘伝書「萬川集海」は伊賀流忍者の藤林一族によって著わされましたが、この一族が住んでいた場所は伊賀市のどこですか。
前者の正解は「擬洋風」。後者は「東湯舟」。しかし、これはふだん伊賀に住んでいなければ分からない問題だ。これには困った。
ところが参考書があった。上野商工会議所が発行している「伊賀学検定」である……
続きは令和4年2月26日号の伊和新聞に掲載しています。
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