やなせ宿でコスプレ撮影「アコロケ」に登録
名張市新町の観光交流施設で登録有形文化財の「旧細川邸やなせ宿」が、コスプレロケ地検索予約サービス「アコロケ」に登録された。このサイトは施設側の「空き場所・空き時間を有効活用したい」というニーズと、コスプレイヤー側の「コスプレ撮影を行ってもよい場所を見つけたい」という悩みを同時に解決することが出来るマッチングサービス。市では当施設の認知度向上と新たな利活用による新しい客層の獲得を目的としている。
旧細川邸は江戸から明治の初期、薬商細川家(奈良県宇陀市)の支店として建てられた。細川家は後の藤沢薬品(現在アステラス製薬)の創設者・藤沢友吉の母方の実家。歴史的町並み保存整備の拠点とするため、市が改修して2008年に開館。なまこ壁の土蔵や当時の面影を残す母屋、虫籠窓(むしこまど)や袖卯達(そでうだつ)、厨子二階(つしにかい)など当時の典型的な町家であり、初瀬街道沿いに当時の面影を残している。中を改修してレトロな喫茶や駄菓子屋もあり、コスプレのステージにはピッタリだ。 当施設の入館者数は2015年度には年間26、000人以上を数え、19年までは2万人以上を続けていた。しかしコロナ禍の20・21年度には1万人を切り、その後回復したが22年度は16、000人弱に留まっている。
館長の池田毅さん(82)と市都市計画室の中村美香さん(28)は10日、近くに生誕地のあるミステリー作家・江戸川乱歩の小説に登場する怪人二十面相のコスプレで「アコロケ」のサイトとの契約を発表。池田館長は「虫籠窓や袖卯達など昔の町家のつくりを見て、土蔵や母屋に昔の風情がいっぱいあるのを感じてもらえると思う。多くの人に来て頂きたい」と話し、中村さんは「江戸から明治の建物を背景に、土蔵のなまこ壁から始まって、お勧めスポットが沢山ありますよ!」と誘っている。
コスプレ撮影の利用料金は、1日貸し切りで1組(10人以下)12、000円。予約は「アコロケ」からや「旧細川邸やなせ宿アコロケ」で検索してもサイトに到達する。やなせ宿の開館時間は午前9時から午後5時まで、月曜休館(祝日は開館し、火曜日休館)。