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オーガニックビレッジ宣言 伊賀·名張両市が連携強化

伊賀市と名張市は7月27日、JAいがふるさとの「とれたて市ひぞっこ」(伊賀市平野)で、地域全体で有機農業に取り組む「オーガニックビレッジ宣言」を行った。式典に合わせてキックオフイベントの記念マルシェも開催され、両市や県、JA、有機農生産者らが出席した。
化学肥料や農薬を使わない有機農業を、地域ぐるみで生産から消費まで一貫した取り組みを推進するため「オーガニックビレッジ宣言」をすることは、農林水産省の推進事業であり交付金で支援されるが、共同での宣言は三重県では初めてとなる。三重県では尾鷲市が宣言し、全国では6月25日までに124市町村が宣言している。
伊賀地域では以前から市域を跨いで有機農業者のネットワークが形成され、県内でも有機農業が盛んな地域であり、両市連携して推進する機運が高まってきた。両市では有機農業実施計画を策定し、有機農業の増加、生産面積の拡大、有機農産物の生産量増加、販路拡大、消費拡大、有機農業者の所得増加、有機農業の就農希望者増加のサイクルによる将来像を軸に実施目標の策定を行っている。
式典で岡本栄伊賀市長は「寒暖差の激しい伊賀地方の気候で美味しいお米や野菜が採れる。しっかりと消費者に届く伊賀ものブランドつくりをしなければならない」と挨拶。体調不良で欠席した北川裕之名張市長に代わり、中村岳彦副市長が「地域が一体となって、生産、販路、消費、農家所得の拡大による好循環を目指す」とメッセージを代読した。
マルシェに出店していた名張市結馬の今西圭一さんは「有機を始めて13年になる。約4反の畑と3町歩の水稲を有機栽培している。昨年はカボチャ1反の畑を、一晩で鹿とイノシシにやられて心が折れそうになった」と苦労話をし、同市安部田の上高原由佳さんは「1町歩程を水稲栽培している。水田の草刈りに『アイガモロボ』を実験中」と話した。
名張市産業部の担当者は「有機農業の人は、JA有機と接点がなく、独自の基準で作った生産品を、独自の販路で販売してきた人もいる。伊賀米、伊賀牛、それぞれ基準があるように、これからは有機JASの基準に合わせれば、ブランド化も夢ではない。JASとの関係作りも含めて、宣言の今日は、スタートの日でもある」と話していた。

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