ペットボタル制作参加者募集 夏見廃寺跡を照らす試み
初代斎王の「大来皇女(おおくのひめみこ)をしのぶ会」と名張市教育委員会は、皇女が建立したとされる夏見廃寺跡をライトアップする企画を計画。国史跡夏見廃寺跡は名張市の誇れる文化財であるが、残念ながら市民の注目を集めるに至っていない。大来皇女をしのぶ会は実行委員会を立ち上げて、2025(令和7)年大来皇女万葉歌碑建立から30年を目指し、夏見廃寺跡をペットボタル5000個でライトアップが目標。ペットボタルはペットボトル状の透明ケースにソーラーパネルと蓄電池、LEDを組みこんだキットの環境対応商 品。この度、ペットボタル約100個を組み立て、自分の名前やメッセージを記入して、廃寺に設置する試みへの参加を呼び掛けている。
大来皇女は初代斎王。悲劇の皇子と言われる大津皇子の姉で、昌福寺を建立したが、大津皇子の弔いの意味もあるとの伝説がある。夏見廃寺跡はその昌福寺ではと言われている。
「大來皇女をしのぶ会」は1995(平成7)年、夏見廃寺跡公園に大來皇女の万葉歌碑が建立し、会を発足した。毎年2月に皇女をしのぶ「あしび忌」を催し、絵本や創作ファンタジーなど積極的な活動をしてきた。近年は高齢化やコロナなどで活動を休止していた。しかし2025年が万葉歌碑建立30年に当たるため、改めての実行委員会の立ち上げとなった。 実行委員会委員長の菅井照代さん(67)は「大來皇女ゆかりの古代寺院跡を全ての人が癒される光輝く市民の憩いの場にしたい。皇女や夏見廃寺跡をみんなに知ってもらいたい。協力して下さる皆様の参加を心からお待ちしています」と呼び掛けている。
ペットボタル組み立ての日時は、11月20日が名張市勤労者福祉会館(夏見)1階研修室で午後1時から。27日が名張市教育センター(百合が丘)1階で、10時からと14時からの2回、計3回行われる。各回作成するペットボタルは30個先着順。参加費は1個1500円。作成したペットボタルは、12月24日夕刻夏見廃寺跡に設置し、春まで点灯する。
また、19・20日は夏見廃寺跡展示館で「古代斎王衣裳」展と「ひめみこ物語」切り絵原画展が開催されている。
お問い合わせ・申し込み先は、名張市教育委員会文化生涯学習室(電話0595・63・7892)まで。