令和5年第3回伊賀市議会定例会開会
伊賀市議会6月定例会が6月9日、開会した。初めに岡本栄市長が「当面の市政に対する考え方」として、「コロナの先の伊賀づくり」の中心に据えている「こども、くらし、にぎわい。」の各施策について説明した。
「こども」
子どもと子育て家庭への支援体制については、虐待やヤングケアラーへの対応も担うこども未来課の「子ども家庭総合支援拠点」と、健康推進課の「子育て世代包括支援センター」を中心として相談支援を行ってきたが、来年4月から全ての妊産婦や子育て世帯、子どもへの包括的な相談支援等ができる組織として「こども家庭センター」の設置準備を進めている。
「くらし」
伊賀市立上野総合市民病院が三重県から「基幹型臨床研修病院」の指定を受けた。来年度から医師の臨床研修を行うことができる教育病院となった。初期研修医の確保に向け取り組みを始めており、引き続き医療提供体制の充実に努める。また昨年度から運用を開始している「伊賀市防災・情報アプリハザードン」は気象情報を始め災害に関する情報をスマホから入手できるアプリであるが、自然災害に対する備えの一つとなる。4月末現在5、792件の登録がある。地域防災力を高めていくためにも周知、啓発に努める。
「にぎわい」
「にぎわい忍者回廊」PFI事業は、特別目的会社(SPC)のにぎわいパートナーズで設計を進めている。旧上野市庁舎改修整備については、今月18日、SPCが事業説明会を行う。
「観光」の面では、伊賀上野観光協会が、大阪・関西万博を契機に大きな発展が期待されているアーバンツーリズム大阪・船場と連携協定を締結した。更に、大阪府・市の自治体や事業者、団体と連携した取り組みを進めたい。
「その他」
デジタル自治の推進について、昨年10月に住民票や税証明など11種類の証明書の交付申請をオンラインで受け付ける、「ポチっと申請」を始め4月から19種類を追加した。今後も市民の利便性を高めていきたい。5月には行政サービスに対話型AIを取り入れた、実証実験を行う協定を民間事業者と締結した。今回は行政内部間に限っているが、環境を整備し行政業務への効果的な活用を試行する準備を進めている。対話型AIの行政利用が実証できれば、更なる市民サービスに寄与するものと大いに期待している、と述べた。
提出された議案は補正予算3件、条例議案等12件合わせて15議案。初日の9日は物価高騰対策として、住民税非課税世帯や家計急変世帯1世帯につき3万円を支給する事業費約3億5、000万円を盛り込んだ3号議案の一般会計補正予算を可決した。