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伊賀再発見 No184 赤目滝で第12回忍者選手権

伊賀流忍者の祖、百地三太夫が修行したと伝わる名張市の赤目四十八滝で10月10日、第12回忍者選手権が行われた。同滝を管理するNPО法人・赤目四十八滝渓谷保勝会が主催したもので、大阪から名古屋まで各地から96人が7グループに分かれて参加。黒を始め赤やブルーのカラフルな装束に身を包んだ5歳から60歳を超える年配者までのにわか忍者たちは午前と午後、3時間にわたって手裏剣投げ、水蜘蛛(みずぐも)など14種の修行に挑戦した。悪戦苦闘の忍者修行を終えた参加者は伊賀赤目流免許皆伝の巻物が与えられ、「またやりたい」と満足そうに口をそろえた。
コロナ禍で静かだった赤目渓谷にも少しにぎわいが戻ってきた。集合場所となった赤目町長坂の赤目ビジターセンターには受付のため、参加者の行列ができた。さっそく延寿院の裏にある会場の忍者の森に急ぐ。思い思いのカラフルな忍者衣装に身を固め「われこそは忍者」の意欲十分。7班に分かれて修行を行うが、第1班の審判員は西浩平さん(24)。同保勝会の職員で、いつもは同渓谷の環境保護を行っている。
午前中の最初の修行は城壁越え。東京オリンピックの種目、ボルダリングのように壁に作られた突起に手を掛けて上下左右に移動して行く。30秒間にどこまで横移動できるかを競うのだ。黄色、赤、緑と移動距離によって目印が張られている。黄色が1点、赤が2点、緑まで行ければ最高3点が獲得できる。黒装束の男の子がまず突起に手を掛ける。次はピンクの装束の女の子。その頑張りを見て年配夫婦が挑戦。老若男女なんともにぎやかである。
ガラス玉のおはじきが点数替わり。終了後に合計して賞品に代えるのだが、3点をもらった男の子はうれしそうだ。
裏山を少し登ったところの修行場で2番目の登り術を実施。3段に分かれた塀を次々と乗り越えていくのである。最初は高さ90㌢ほど。2つ目は120㌢。3つ目は高くて170㌢はある。これは背丈のある大人が有利である。家族の中で、まずお父さんが登って見せて、その後に子どもたちが続く。ちびっ子忍者には3つ目のハードルは高すぎる。指導員にちょっぴり尻を支えてもらいようやくクリアする。
次は侵入術としての綱渡り。スギの木立の間、8㍍の長さに張られた綱を腕の力を頼りに体を滑らせながらわたっていくのだ。「腕の力もいるし、体のバランスをとるのがむずかしいです」と西さん。それでもみな、果敢に挑戦する。これは大人よりも体重の軽い子どもたちに有利。まず父親が綱に体を預け渡ろうとするが、体重の重さに負けてバランスを崩しあえなく落下してしまう。子どもは軽い分だけ動作が早く、なんとか2点地点まで到達。続いて赤い装束の女性はがんばって赤目印の地点までたどり着き3点を獲得した。「やった」と達成感ありありの表情。
4番目は飛び猿修行。1本の綱にぶら下がって、ブランコのように空中に浮き、元に戻る仕掛け。5段ある階段の最上段から飛び出すのだが、やってみるとけっこうむずかしい。早く飛び出すが、確実に元に着地することができない……

続きは10月16日号の伊和新聞に掲載しています。
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