伊賀再発見 No197 大和三山を回遊ハイキング
立春を過ぎたある日、むかしから歌に知られた大和三山(畝傍山、香具山、耳成山)を一度に登ってみようかと思い立つ。名張から大阪へ向かうとき近鉄の車窓からよく見ている風景だが、耳成山は途中通過する大和八木駅の近くにありながら、これまで一度も登ったことがない。幸い、近鉄がハイカー向けに発行している「てくてくまっぷ」に大和三山回遊コースがある。これを参考に、橿原神宮前駅をスタート。畝傍山を手始めに3つの山を約5時間かけて歩いた。特に畝傍山山頂では、「日本書紀」に記された神事が今もなお絶えることなく続けられていることを知って驚いた。
まずは橿原神宮にお参り。足にちょっと不安があったので全山を安全に踏破できるよう祈願する。本殿横には大きなトラの絵馬が掛けてある。そうです、今年はトラ年。勢いと元気をもらった気分になる。畝傍山の西斜面にある畝火山口(通称・おむねやま)神社の鳥居前からスタート。その前の説明板に同社の由緒が書いてある。ご祭神は住吉大神となっているのだ。この神社と「住吉っさん」の愛称のある、海の神さまである大阪の住吉大社とどういう関係なのか不思議に思う。
登る道には丸太が埋め込んであり歩きやすい。5分も行くと三叉路。真っすぐ降りると橿原神宮方面へ。登山道は左を取るのだが、そこに大きな看板。3月18日まで通行止めになっている。歩道を改修するらしい。その代わりに急な斜面を切り開いたにわか新道ができている。これを登るのか。
仕方がないので登り始める。すると次から次と人が下りてくる。登山服姿の女性、ウオーキング姿の男性など。けっこう人が登っているのだ。近道になったせいか20分ほどで到着する。頂上は広場になっている。その手前に説明板。標高は199・2㍍とある。その横に中大兄皇子(天智天皇)の歌が記してある。香具山と耳成山が畝傍山をめぐって争う「万葉集」にある有名な歌で、畝傍山を男性に比するか、女性と見るかで説が分かれているらしい……
続きは令和4年2月12日号の伊和新聞に掲載しています。
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