伊賀市 SOSフィルター導入 児童生徒のセルフケアサポート
伊賀市は、1人1台端末を活用した児童生徒の「生きる」を支える「SOSフィルター」を導入した。「SOSフィルター」は悩みを抱える児童生徒を適切な支援につないだり、児童生徒が自分自身で心身の異変に気付き、セルフケアを行ったりすることをサポートするもので、伊賀市内の公立小中学校の全児童生徒を対象にしている。全国で3番目、三重県では初めての導入となる。
「SOSフィルター」はNPO法人OVA(オーヴァ)が開発したブラウザ拡張機能で、児童生徒の1人1台端末に無料で導入することができる。マイクロソフト・エッジ及びグーグル・クロームで「死にたい」「リスカ」などの自殺関連用語など、深刻な悩みに関する語句(登録語句数4796個)を検索すると、悩みに合った相談窓口や、気分を和らげる方法をまとめた情報がポップアップで表示され、悩みを抱えている児童生徒を適切な支援につなぐことや、児童生徒が自分自身で心身の異変に気付いてセルフケアを行えるようサポートされる。
導入については、市内の公立小中学校には情報共有したが、児童生徒には周知していない。しかし、既に「死にたい」「リスカ」「親が怖い」「もう頑張れない」「いじめ」など深刻な悩みに関する語句を入れて検索するとポップアップで表示されるようになっている。
その他プライバシー等に関する件では、OVAにはアクセス履歴等(ポップアップの表示回数、児童生徒が調べている語句、相談窓口へのリンククリック回数)が取得され、全体の傾向をとらえることはできるが、どの学校のどの学年の、どの生徒が何時、何を調べたかなどは把握できない仕組みになっている。
OVAが、私立の中・高校生981人に試験運用(2023年11月1日~24年3月31日)したところ、SOSフィルターの表示が134回(月平均27回)あり、1人1台端末を通じて、一定の自殺関連用語の検索があることが明らかになったという。
「見るだけでは分からない、子供たちが自分で気づいて相談相手を見つけたり、悩みの解決に近づいたり、緩和につながれば」と教育委員会学校教育課の担当者は話している。