伊賀米コシヒカリ3年連続「特A」 令和6年産米で10回目

伊賀・名張市で生産される伊賀米コシヒカリが、一般財団法人日本穀物検定協会が2月28日に発表した「令和6年産米の食味ランキング」において最高評価の特Aを獲得し、3年連続10回目の特A評価となった。
県伊賀農林事務所によると、23年より24年の猛暑は更に厳しく、近年は高温耐性品種の栽培が多くなっており、食味ランキング143銘柄のうち、特Aを取得したのは39銘柄、そのうち特Aを取得したコシヒカリは9銘柄のみであった。昨年の猛暑で作柄や品質について非常に危惧を感じていたが、今回の特A取得に安堵していた。
農家、関係機関一体の努力の賜物
伊賀地区で米の生産農家は約2500戸。コシヒカリは約2900㌶の田んぼで栽培し、約9000トンを出荷している。栽培技術向上に向けた生育基準田を設置し、営農LINEグループで高温対応や害虫情報の発信をした。品質や食味向上のための192人の伊賀米栽培推進員と関係機関も一体となって技術指導し、高いレベルで栽培技術の平準化に取り組んできた。それでも猛暑のため令和6年産米の一等米比率は5年産米の63㌫に比べ20㌽以上下落して40㌫前半まで落ち込んだ。この環境の中で「特A」を維持できたのは、生産農家の努力を初め関係機関一体の後押しの成果であった。
食味検査は複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米とし、これと対象とする産地の品種を食して比較し、基準米より特に良好なものを「特A」、良好な物を「A」、概ね同等な物を「A’」、劣るものを「B’」として評価するという。
県伊賀農林事務所の担当者は「気候変動の中でコシヒカリに代わる品種を、三重県としては研究しているが、この地区は、これからも伊賀米コシヒカリで頑張っていく」と話している。「かめばかむほど甘みが増す、かみしめてこの味」の伊賀米コシヒカリ。気候変動の中で気をゆるめる隙も無い。