充実した作品多く、レベル向上 第67回名張市美術展覧会
第67回名張市美術展覧会(名張市、市教育委員会主催)が10月2日~6日、市総合福祉センターふれあい(丸之内)で開催。応募者の年齢は15歳から90歳で、絵画・書道・写真・美術工芸の4部門で、絵画42点、書道10点、写真60点、美術工芸17点の出品があり、合計129点。昨年より7点減少したが、無鑑査・招待者・審査員含め展示総数は180点になった。
各部門の入賞者は次の通り。
【絵画の部】▽市長賞=「分岐のところ」佐々木明▽議長賞=「大王崎灯台と旅館モヘジ(Ⅱ)」川森憲一▽教育委員会賞=「泡沫」岡田柚沙▽審査委員長賞=「陽気に誘われて」重田喜美子▽岡田文化財団賞=「召し替え紅鶴」石川花音▽名張文化協会賞=「中庭の水槽」鈴木芭奈▽名張ユネスコ協会賞=「まほろば」正田幹彦▽名張市美術作家協会賞=「猫満喫パフェ。」松尾咲空▽奨励賞=「春」稲森三明▽同=「ジャズ」松本美恵子▽同=「このまま」新真央▽同=「畢生」柴風太郎
【書道の部】▽市長賞=「持盈保泰」多田玲子▽議長賞=「西行の歌」森島香緒里▽教育委員会賞=「香山寺月夜」福田徳生▽審査委員長賞=「皇甫誕碑(臨)」涌嶋佐知子▽岡田文化財団賞=「虞美人草」金子弘江▽名張文化協会賞=「臨 張遷碑」村田凛々花▽名張ユネスコ協会賞=「百人一首」米本佐和子▽奨励賞=「山園小梅 林逋の七言律詩」福島里代子
【写真の部】▽市長賞=「こんにちは」三分一勉▽議長賞=「見張る」西村武夫▽教育委員会賞=「春の訪れ」川端弘德▽審査委員長賞=「真夏日プロローグ」塩見隆夫▽岡田文化財団賞=「煌く瞬時」宮山博明▽名張文化協会賞=「夏の終り」中村博▽名張ユネスコ協会賞=「なめこ谷」山口敏明▽奨励賞=「客待ち」湯浅美津江▽同=「おもてなし」髙橋末子▽同=「妖精」鶴野幸▽同=「ある空間」福本好成▽同=「几帳面」新才美笑子
【美術工芸の部】▽市長賞=「漲る」林義雄▽議長賞=「赤目四十八滝」田中純吉▽教育委員会賞=「地層」児玉佐織▽審査委員長賞=「型染二曲屏風・杜甫七言古詩『貧交行』」星川節子▽岡田文化財団賞=「テッセン」峯林充雄▽名張文化協会賞=「伊勢型紙 和の彩り」蓮田行志▽名張ユネスコ協会賞=「静寂の美・蓮」芝田美智子▽奨励賞=「想像」和田愛依▽同=「紙粘土の花」野坂弘美
《講評》
【絵画の部】10代の出品が増加し、表現の幅が拡がったように感じる。写生に徹し、実像に迫る作品や、確立された作風を深めた作品、大きな画面に初めて向き合ったであろうみずみずしい作品など、名張市の美術展の豊かさが現れている。画材、技法も多岐にわたっており、作品1枚1枚を読み解く楽しさがあった。
【書道の部】出品数は減少したものの充実した作品で、レベルは昨年より向上したことは喜ばしい。内容も漢字、仮名、篆刻とバラエティに富み、漢字だけでも行草書、隷書、多字数の努力作品等多彩。仮名作品も2点出品があった。無鑑査数の増加が目立つ中、次年度の公募者出品増を望む。
【写真の部】昨年よりやや応募点数は減ったが、逆にレベルは上がっていると感じた。被写体もバラエティに富んでおり、上位入賞に高齢者が多く、若々しい作品を出品されていることをうれしく思う。
【美術工芸の部】作品数は少なくなったが、出品作は力作が多く、特に市長賞や教育委員会賞を獲得した陶芸には、高い技術力と豊かな表現力を感じた。さまざまな素材を駆使し、創造的な努力を重ねている、出品された方々の、益々の精進を期待する。