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名張市立病院 災害対応訓練実施

名張市立病院で11月24日、「南海トラフ大地震が発生し市内全域で震度6弱を観測」と想定した災害来往訓練が行われた。
担当の総務企画室・西田勝太係長の「地震はいつ起こるか分からない。ストーリーがない、コントローラーもいない。とにかくやってみよう!」のかけ声で午前8時30分、訓練が始まった。「訓練、訓練、ただいま名張市で震度6弱の地震が発生しました。災害対策本部構成員は事務所に集まり、その他の職員は施設などの被災状況の確認を行い、本部に報告してください」の放送が館内に響き、事務所に藤井英太郎院長を本部長とする災害対策本部が設置された。副本部長の登内顧問、山村院長代理など約20人の構成員がそろい、早速被災状況の報告が入り、ホワイトボードに記入。同時にデジタルスクリーンが2台搬入され、1台はトリアージ別の傷病者の表示、もう1台は状況表示用で、ホワイトボードの内容が整理されていった。第1回災害対策会議が開かれ、院内被害状況確認や受け入れ準備、役割分担が指示。第2回災害対策会議では、出勤中の医師看護師の数、出勤可能な医師看護師の確認が行われ、名張市消防本部から入る情報を元にトリアージ別(重傷者➡赤、中傷者➡黄、軽傷者➡緑で表示)の人数と、その受け入れ可能人数や他病院に振り分けの決定が行われた。
一方、9時30分頃から病院のヘリポート用駐車場で、名張市消防本部が応急救護所を設置。テントでは重傷者の治療が行われ、屋外では中傷者、軽傷者が待機していた。こちらの傷病者は、赤8人、黄色7人、緑6人、なお黒2人がいて、黒は治療不可能または治療の効果がなく絶望的の判断。トリアージは救護隊長が行い、病院の災害対策本部と連絡を取り、重傷者から順次病院に搬送。病院に搬送された内の1人は、骨盤不安定骨折、左大腿部骨折、骨盤内大量出血と診断され、奈良医科大学に即時搬送と決定。消防の訓練は緊迫感があり、傷病者役の看護学校学生も真剣に役目を演じていた。黄色で待機している学生にどこが悪いのか聞くと「腰骨圧迫骨折です。早く治療してほしいです」と神妙に答えていた。
11時頃、すべての傷病者の治療や搬送が終わった。病院が災害対策本部を立ち上げ受け入れ体勢をつくり、消防が応急救護所を設置し、多数の傷病者発生への対応と、連携し情報共有することについて、実際の災害発生時の対応力を強化し、問題点を抽出する訓練は無地終了した。
藤井院長は「実際の震災時は、もっともっと混乱すると思う。このような訓練を重ねて現実に対応したい」と話し、柳澤宗弘消防長は「てきぱきと落ち着いた行動に安心して見ていられた。現実は想像を絶する状況であると思う。訓練を重ね、地域住民の安心安全のために、まずは自分の身を守るように」と訓示した。
この日の参加者は、名張市立病院は約50人、名張市消防本部37人、上野市民病院DMAT5人、三重大高度救命救急センター5人と看護学校学生が多数参加した。
訓練の後、吉岡昌行副院長は「救急は普段から対応していることで、それが大規模になったことだと考え、緊急対応をどうするか、転送先が見つからない時はどうするか等、このような訓練を通して、考えを深め続けなければならない」と話した。

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