名張市立病院 看護師不足で病床数制限
名張市立病院改革検討委員会が11月28日開かれ、2023(令和5)年度の実績が報告された。その中で入院診療の項目で病床稼働率が計画値75・1㌫に対し71・2㌫で3・9ポイント下回り、それに関して病院は、看護師不足で200床ある病床を146床に制限していることを明らかにした。市立病院の看護師の退職者数は、23年度は約20人、24年度は約30人の見通しという。勤務の多忙さによる疲労などのほかに、待遇面では大阪の医療機関との競合があり、さらに来年10月の独立行政法人化の勤務状況への不安もあるという。
病床200床全てを稼働するためにはフルタイム換算で186人の看護師が必要だが、現状はフルタイム97人で、時短勤務やパートを含めて169人なので、実質の数はかなり少ない。病院は待遇改善や奨学資金の拡充、看護助手の採用を増やすなどの補助策を行っているという。
委員会の委員からは「給与面でも選択肢の多い大阪との競合は大変」や「環境の改善と共に、待遇の良い面を強調してみては」などの意見が出た。
病院では、多様な働き方を推進するため、時短勤務や産前産後休暇・育児休暇の取得推進や夜勤看護師の処遇改善、看護専門学生への奨学資金貸与制度の拡充などを方策として挙げている。