岡本栄伊賀市長 退任会見 初志貫徹の12年
11月10日の伊賀市長選挙で4選にならなかった岡本栄伊賀市長が、任期満了の日の20日、退任記者会見を開いた。岡本市長は2012年11月11日の伊賀市長選に初当選、2016年、2018年の市長選に当選し、3期12年伊賀市長を務めた。
岡本市長は「意義深い12年だった。色々なことが出来た。そもそも選挙に出た動機が、坂倉準三建築研究所の設計による旧上野庁舎を、しっかり保存・活用することだった。結局10年かかったが、ぶれなかったことは誇りを持てる。保存しようとすると市役所を移転しなければならない。移転議決の時1票差で決まったが、この街にとって良いことだったと思う。これから忍者体験施設や、旧庁舎に図書館や宿泊施設が出来るが、造って終わりではなく地域一帯となり、しっかりと回すことが大切」と話し、他の成果について問われると「幼稚園から始まって小・中学校の給食無償化。子育て政策が全国的に見て誇れるレベルで実施出来たこと。職員の努力が大きい。財政、担当部、一生懸命頑張ってくれた」と語った。「コロナは厳しかった。あれで世の中がすっかり変わった。トランプに始まり、東京都知事選挙でもポピュリズムやSNS選挙、噂話し選挙。メディアの皆さんは、勇気を持って真実を伝えて欲しい」とも話した。これからの生活は?の問いに「鴨長明になる」と答え、現在の心境について「明鏡止水」と言い、最後に「木枯らしの 荒れて水面の なお静か」と詠んだ。
12年前の初登庁の時のスリーピーススーツをこの日も着用し、大変だった片付けの話をしながら、綺麗になった市長室を案内した。