日本固有種の鋭い光・金ボタル鑑賞会
名張市の赤目市民センター主催「ヒメボタル鑑賞会」が、7月6日行われた。ヒメボタルは日本固有種で陸生。オスは飛ぶが、メスは後翅が退化し飛べない。鋭く強い光が金黄色に見えることから金ボタルと言われることもある。日本でも見られる場所が少なく、時期も限定される貴重なホタルである。観察場所は、赤目町長坂の赤目四十八滝入口から2~300㍍下流の山林。案内と講師はホタルの守り人・吉岡正夫さん(73)。集合時間は午後10時、参加者20数人。
始めに吉岡さんは、ヒメボタルの説明をした。ヒメボタルは本当に小さい。長さがゲンジボタルの3分の1、体積では10分の1、4~5㍉程。しかし、その割にしっかり明るい金色の光を放つ。夜行性だが22時ではまだ見られる数が少ない。0時から1時の深夜型といえる。生息地について、ゲンジボタルは生息が安定してきているが、ヒメボタルはまだ不安定なところがある。全然出ない時もあるが、だいぶ把握出来てきており、この場所やこの周辺は10~12日頃まで、その次は曽爾村で、室生では月末まで見ることができる。7月いっぱい1か月間は楽しめる。苦労話では、探して探して夜中じゅう、あの山からこの山へ探し回ったが見つからない。諦めかけたところ、この橋のたもとでひょこっと見つけた。間違ったところばかり探していたが、橋の上の山が生息地だった。
ここまで話して、突然話題を変えた。「最近自分用のお墓を購入した。ホタルの出る丘陵地。ご準備されるなら紹介しますよ」と言って笑わし、場を和ませた。
その後全員で山林に入った。真っ暗な森の中で、既にあちらこちらで、チカチカ光っている。錦生赤目小5年の男子児童が「ひゅーい、ひゅーいと光っている」という。確かにそんな感じの鋭い光で点滅していた。
女性や家族連れは11時頃には山を下り、写真を頑張る人だけが残った。点滅する光は写真にはドットの線で写る。それほどホタルは多くは出なかったので、12時過ぎには山を下りた。赤目の谷底から白鳥座の天の川が鮮明に見えた。今度は星を写しに来ようと思った。