稲森稔尚伊賀市長 初登庁
市民とのつながりを大切に
伊賀市長選挙で初当選した稲森稔尚伊賀市長(41)が11月21日、新しい舵取りをスタートさせた。午前8時15分、伊賀市役所正面入り口に現れた新市長は、多くの職員の拍手に迎えられ、花束を受けて初登庁した。
稲森市長は、就任に際し約50人の幹部職員を前に「市長と市民の『つながり』を結び直す。そのため市長自ら出向く姿勢を心がけ、切実な声を聞いて政策に磨きをかける。この4年間で取り組みたいテーマが2つある。まず『公共の再生』。十分な説明や合意形成がないまま物事を進めたり、民間や地域に委ねるにしても『丸投げ』になっていないか。市民の参加と協働を基本に『公共サービス』の立て直しを図って行く。もう1つは『子どもが育つ、大人も育つ』伊賀市の実現。『すべての子どもたちが安心して大人になれる社会』を目指してリードする伊賀市でありたい。一方、大人になってもチャレンジする機会が豊富にあり、地域経済を活性化させる人を増やしていきたい。『人が輝く、地域が輝く』伊賀市の原点に帰る時。みんなで力を合わせて行きましょう」と挨拶した。
その後の会見では「95㌫は継続し5㌫は改革したいが、独断で改革できるものではない。力を合わせて行かなければならない」「18歳成人式は、来年度からは行わない。移行の方法は検討中だが、18歳成人式のことだけでなく、もっと若者や市民の声を受け止めなければ」「県議の経験を活かして県との関わりを強めたい、行わなければならない芭蕉翁記念館の整備については、県の支援を積極的に求めていく」「15年と半年、市議会、県議会で噛みつく側にいたが、これからは声を受け止める側として頑張りたい。権力は市民の側から預かったものという意識を心がけていきたい」「保育園の統廃合、民営化については一旦中断し、民営化は基本的に行わない。統廃合の組み合わせについても市民参加や、子どもや地域をどう活性化するのかの視点で見直す」と改革面の話をする一方で「歴史、文化、芸術面の掘り起こしについては、前市政をしっかり評価する」と改革と継続について語った。
この日、稲森市長は鉄道で登庁したが「市民に伊賀鉄道、JRを積極的に利用してもらうためにも、今後も鉄道で登庁する」と話した。