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第6代伊賀市長に稲森氏 12年ぶりの新市長誕生

伊賀市は11月10日、市長・市議の同一選挙を行い、当日開票の結果、県議で新人の稲森稔尚氏(40)が、他の5人の候補者を抑え、第6代市長に当選した。
岡本栄市長の任期満了に伴う市長選挙は3日告示、10日選挙で、当日有権者数は男性33、003人、女性35、336人、合計68、339人で、4年前の前回より4、165人減、投票率は61・93㌫(前回52・83㌫)で9・1㌽向上した。また、市長選と市議選を同日に行うため、10月15日に議会を自主解散した市議選も行われ、25人が立候補し、22人の市議が決定した。市議選の投票率は61・92㌫で、前回より5・35㌽向上し、市長・市議同日選挙の効果が表れた。
市長を3期務め、4期目を務めるべく立候補した現市長の岡本栄氏に対し、新人5人が立候補した市長選は、岡本氏の市民とのコミュニケーション不足や、18歳成人式を5人が口をそろえて批判し、少子高齢化・人口減少社会にどう対応するかなど、夫々が主張を述べた。その中で、地道な活動を続ける草の根運動いがを背景にした稲森氏が前年の伊賀市選出の県議選においてトップ当選した強みを今回も生かし、新市長に当選した。次点は元政府系金融機関職員で、国・県との連携や、市の活性化を主張した浅井健之氏(32)。岡本氏は過去3期の実績や「にぎわい忍者回廊整備事業」など観光集客など未来への展望を主張したが、及ばなかった。
定数22の新選良決まる
伊賀市長選と同日に行われた市議会選挙は10日投開票され、新議員22人が決まった。当選者は前職15人、元職1人、新人6人。
「素晴らしい伊賀市を次世代に」稲森稔尚氏 支援者を前に抱負語る
稲森稔尚氏は午後11時の開票速報で4300票以上の差をつけて当選が確実となり、伊賀市柏野の選挙事務所前で万歳を三唱。同じく地域政党・草の根運動いがから市議選に挑んで初当選を果たした大石亮子氏や支援者、家族らと喜びを分かち合った。
詰めかけた約50人の支援者を前に、稲森氏は「市政を変えてほしいという市民の思いを強く感じた。組織ではなく、草の根の市民のみなさんに支えられて当選できた」と選挙戦を振り返り、「市議・県議として活動した15年間、地域の人たちと顔を合わせて話をすることを大切にしてきた。地域の悩みや困りごと、一人ひとりの声を形にしていきたい。これまでは行政をチェックし、追及する側だったが、これからは追及も受け止め、政策課題に360度目配りしていく」と市長としての決意を述べた。
伊賀市の発足から20年が経過したが、「合併の検証を進め、行政サービスの見直しにも取り組む。市長として上に立つのではなく、市民や市職員とともに歩み、素晴らしい伊賀市をつくりあげて次世代に引き継ぎたい」と力強く締めくくって拍手に包まれた。
祝福に駆けつけた北川裕之名張市長と握手を交わし、協力を誓い合う一幕もあった。
一夜明けて
当選から一夜明けた11日、当選証書を受け取った稲森氏は、会見に臨み「久しぶりに安心して眠れた。今朝はいつも通り街頭演説をした。月・水・金と続けているが、一政治家として、これは続けたい。この選挙は1年半前の県議選より、はるかに反応が良かった。これからは行政の仕組みとして市民への説明責任と情報公開、合意形成を徹底したい。すぐやらなければならない事として、来年度の予算編成に入っていると思うので、直ちに中止しなければいけないものをチェックする。18歳成人式の予算は削除する。伊賀市全園の幼稚園・保育園を統合して民営化する計画、美術館・博物館構想も芭蕉記念館構想を先行させて再検討する。芭蕉は世界の芭蕉なので、出身の県と一緒に取り組みたい。放置されたままのような上野ふれあいプラザもあのままでいけない。買戻しも含め、前に進めたい。その他公共サービスの在り方の再検討」等々。汲めども尽きぬ思いを次々と話した。

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