薦原小に文部科学大臣表彰
学校図書館貸出数1人66冊
「令和6年度子供の読書活動優秀実践校」として文部科学大臣表彰を受賞した、名張市立薦原小学校(児童数95人)の中矢佳代校長(56)らが5月1日、市役所を訪れ北川裕之名張市長に受賞を報告。同席したのは、同校図書委員会担当の二井ひかり教諭(23)、名張市からは西山嘉一教育長、要美義教育次長ら。
薦原小学校では、児童主体の図書委員会が多様な本に出合うための取り組みをし、教科や学級活動等で学校図書館を活用、読み聞かせボランティアの活動で児童の読書意欲が向上し、学校図書館蔵書の貸出密度が飛躍的に上がったという。その取り組みが認められ4月23日、文部科学大臣から表彰された。
中矢校長は「ここ数年、子どもたちがいつも本を手元に置いて、好きな時間に読む取り組みをしてきた。図書委員の子どもたちが主体となって、本の魅力を伝える活動や週1回のボランティアによる読み聞かせ、学級活動の中で積極的に学校図書館を利用する等を進めてきた。児童1人当たりの年間貸出数は令和2(2020)年度は18冊であったが、令和4(2022)年度には66冊になった。そのことが今回の受賞につながったと思う」と話し、また「1学年1クラスなので、6人のボランティアが、毎週火曜日朝の読書の時間に15分くらい読み聞かせをしてくれている。その後、皆で話し合う」と言うと、二井教諭は「ボランティアが来る前から椅子を前に出し、場所取りするくらい子どもたちは楽しみにしている。話の続きや、シリーズ物などは図書館に借りにいく。図書委員の子どもが、本を借りに来てくれた子どもに栞を渡す等、自ら工夫をしてくれている」と児童らの積極性について語り、また、1年生の児童がクラスで1年間に読んだ本のリストをつくり、おすすめの本の題名にシールを貼り、2年生になった時、次の1年生に「僕たちこんな本読んだから、こんな本がおすすめだよ」と引き継ぐ、それを各学年がやっていることや、読んだ本とその感想をリストにした「読書貯金通帳」の存在、1枚のカードに1~9の番号を書き、番号ごとに「自然科学」とか「物語」とか本のジャンルが記入してあり、それを使って読書の幅を広げるためにする「図書ビンゴ」など、児童主体でありながら、同時にしっかりサポートする取り組みについても話した。
中矢校長は「子どもたちがなりたい自分や、こんな生き方をしたいと思ったとき、色々な生き方が本の中にあり、自分が思う生き方に本の中で出会うことが、読書の良い事では」と語り、年66冊の読書をする児童については「全体的に心穏やかで落ち着いているように感じる。読み聞かせのボランティアの人に『ありがとう』という感謝の気もちが、生活全てに繋がっているのかなと思う」と話した。
北川市長は「色々な取り組みをされて読書の機会を増やし、驚異的な数字が出ているが、このことは子どもたちの知識の豊かさや、心の豊かさに繋がっていると想像できる。素晴らしい取り組みに感謝申し上げると同時に、これからも子供たちのために続けて頂きたい」と受賞を祝い、西山教育長は「ますます読書好きな薦原の子どもたちを育てて頂くと同時に、読書離れの進む市内の子どもたちにも、是非発信をお願いしたい」と話した。