「令和の学校」ってどんな学校 No37 山添村立やまぞえ小学校
2月も中旬となったが、名張方面では前日に大雪が降り道にはまだ雪が残っている。特に関東方面では交通を始め大きな被害が出ていると朝のニュースが伝えている。山添に行く道はどうかと、山添村在住の知人に尋ねると、「雪は大丈夫」との情報。安心して車を走らせた。やまぞえ小学校に到着すると、昨夜とはうって変わった陽光に照らされた校舎、芝生が敷き詰められた運動場。元気に走り回る子どもたち。心うきうきと校門をくぐった。教頭先生に玄関の鍵を開けていただくと、後ろに笑顔の浅野典昭校長が。「こちらはあまり降らなかったが、名張からの道は大丈夫でしたか?」浅野校長の心配りに緊張が解け、温かな気持ちになり、私まで笑顔になって校長室に入れていただいた。
なかなかコロナが収束しませんが。
本校では、1月に感染者が出たが、それからは出ていない。ただ、いつ感染者が出てもおかしくない状況なので、感染予防には万全を期しているし、万が一のことを考慮して、村教委の指導の下、対応について教職員で共通理解を図っている。2020年(令和2)にコロナが出だしてきた時は、よく分からないことばかりだったので、学校行事等は「とにかく中止」という対応をしていた。今の中学校1年生の子どもたちには、いろんな経験をさせることができなくてとても残念だったし、申し訳なかったと思う。2021年(令和3)度は感染対策を講じながら、できる範囲のことは行っている。児童数も少ないということもあるが、運動会などは時間短縮で午前中実施、参観の保護者も各家庭2人まで、競技は走ることを基本にした個人種目だけ。手をつなぐ種目や集団で行う表現運動などは取りやめた。学習発表会については、以前は保護者にも参観してもらい、舞台上で発表等を行っていたが、昨年は中止。でも今年はぜひ実施したいと教職員で考えた。本校ではGIGAスクール構想により村からIpadが全児童に配られたので、それを活用して、子どもの発表を動画(録画)にして配信することにした。期間限定であるが、持ち帰っているIpadで家のおじいちゃんやおばあちゃんにも見ていただいている。今までであれば舞台発表が見えにくかったり、声が聞こえなかったりといった声が保護者から聞かれたが、音楽を入れ編集した動画を家で見ることができるので、大変好評であった。子どもの顔や声がよくわかったと喜んでいただいた。
今、GIGAスクールの話があったが、タブレット等の活用は。
タブレットを配布していただいたお陰で、授業が大きく変わった。学習発表会もその一つだが、オンライン授業は、今はその必要性はないので行っていないが、各家庭で実際にできるかのテストはしている。授業においてタブレットは1年生からドンドン使っている。観察・記録をはじめいろんな場面で活用している。子どもたちは鉛筆やノートといった文房具と同じように活用している。山添村では、タブレット導入の前から、ICT教育には力を入れていて、私が7年程前に山添中学校に転勤したときには、教師用のタブレットや各教室にプロジェクターを整備していただいた。そして教員がデジタル教科書をインストールして、毎時間授業で活用していた。大変便利がよく、本校においてもごく普通に全教員が授業で使っている。研修を重ねながら、教員のスキルアップを図っているが、教員自身デジタル教科書活用が学習効果の向上につながっていると実感している。だから本校の教員はこうした取り組みに対し大変意欲的であり、そのことが子どもたちの授業でのタブレットの積極的な活用となって表れていると思う。先日6年生に山添中学校3年生が「中学校紹介」の発表をリモートでしてくれたが、中3ともなれば「さすがに」と思うほど、上手にやってくれた。いわゆる6年生の「中学校1日体験入学」の代わりとなるもので、今年初めて実施したが、6年生には大変好評であった。
これは小中連携教育のひとつか。
本村では、1小1中であり、本校の卒業生は原則全員山添中学校に進学する。そのため、小中の連携は大変重要である。学校が1キロ弱離れているので、それを考慮し、先ほどのような取り組みを実施している。小中高(奈良県立山辺高校山添分校)の教職員で教育研究会を組織しているが、将来を見通しながら、カリキュラム(教育課程)や生徒指導など、小中高で情報交換をし、共通理解を図っている。今後はより一層連携を強めて行きたいと考えている……
続きは令和4年2月26日号の伊和新聞に掲載しています。
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