一見知事と岡本市長が円卓対話
一見勝之三重県知事が県内の市町を訪問し意見を交わす「知事と市町長の円卓対話」が5月11日、伊賀市の史跡旧崇廣堂(上野丸之内)で岡本栄伊賀市長との間で行われた。テーマは「伊賀ってこんなところです!!」。
一見知事は「最も力を入れたいのは観光施策。三重県では伊勢神宮が一番にでてくるが、次はインパクトのある忍者。それだけでなく伊賀には松尾芭蕉など独自の文化があり、それに県が頼らせて頂き施策の要としたい」と語り、岡本市長は「ミラノ万博では伊賀牛と伊賀酒が予想外の好評を得た」と成功例を話し、伊賀の組紐や伊賀焼など伝統工芸品を紹介しながら、2025年関西万博で、県との協力に強い意欲を示した。
伊賀への移住、定住に人気が高い事について一見知事は「一般的に高校までは県内にいるが、三重県内に大学が少ないので外へ出てしまう。しかし郷土愛があると帰って来る。伊賀には祭り(ダンジリ)があり忍者がいる。郷土愛の中心は文化だ」と語ると、岡本市長は「伊賀には忍者、芭蕉、能など優越した文化がある。地域の伝統、文化は大事な柱の一つである。移住した人については専門の担当者(移住コンシェルジュ)がいて、きめ細かく動いている」一見知事は「自然に囲まれた生活をしながら子育てをし、必要な時には大阪や名古屋に出る。テレワークなど働き方が変わってきた。そこそこ田舎、そこそこ都会なのでそれができるのでは」と応えていた。 アクセスの改善
赤字路線のJR関西線(亀山―加茂)について、岡本市長は「伊賀から高速バスや近鉄で名古屋に行く人は年間3万人に上っており、往復では6万人になる。関西線の利便性が向上するとかなりの乗客数になる」との提案に、一見知事は「JR西、伊賀市、亀山市と県がしっかり話をしていきたい」と応え、「リニア新幹線については、駅は亀山にできるが、県全体にメリットが行き渡るようになるのがポイント」と話した。岡本市長は「リニアは伊賀を通過するだけだが、車両整備工場を伊賀に作って頂きたい」と設置要望に手を挙げた。
名張市との関係
隣接する名張市との関係について岡本市長は「昨日(10日)北川裕之新名張市長と、上野とか名張とか言わずに、力を合わせて高め合おう、パートナーとして種々なことに取り組んでいこう、お互いにWin・Winでいこうと話し合ったところ」とこれからの両市関係について話した。
この対話に引き続き、知事は「県民との対話」に臨み、県が募集して設立した「伊賀市若者会議」のメンバーや商工団体の青年部役員らが出席して意見交換をした。