名張市議会主催の報告会 初開催
「令和4年度 議会報告会」が、11、13日に名張市役所で開催された(計3回)。名張市議会では、昨年度まで市内15地域において、地域づくり協議会主催の議会報告会が行われていたが、今年初めて議会が主催し、市内全地域を対象にした「議会報告会」を行った。「市民の声を聞きたい、議員間討議を活発にしたい」との福田博行議長の発案で、議員18人を6人ずつ3班編成で出席。報告会は、今年の議会活動報告、事前に募集した議会への質問に対する回答、自由懇談の順に行われた。1班の議会活動報告では、「市議会の自主解散・市長選との同日選挙実施」「各委員会活動」「(町に)いずる議会」について説明がなされた。
出席者からは、「コロナ禍での議会の活動や国からの補助金等の使い道が分からない」「中学校給食についてもっと説明をしてほしい」などの質問が出された。議員からは「議会の一般質問において各議員が、コロナや中学校給食、市立病院のことなど、市長や理事者に説明を求めたり、意見を述べたりしている」「予算に関しては、慎重に審議し議決しているが、否決されると執行できない」などの返答があった。(事前に募集の質問と回答は次の通り)
問① 議会が無い時は何をしているか?
回答 名張市議会では、3・6・9・12月に定例会を開催。定例会以外の期間においても、各委員会を開催し、必要な事項について協議を行っている。また、会議以外の時間については、公的行事への参加や、各議員が政務活動として先進地視察を行ったり、研修会に参加したりなど、市への政策提案につなげられるよう取り組んでいる。その他には、各議員、各会派において、市民や団体との懇談や市民相談を行っている。
問② 名張市議会は必要か?市議会や議員の活動が見えない。
回答 市議会の大きな役割は、市民の意見を市政に反映させていくことである。市議会は市の意思を決める議決機関であり、市議会と市長は、独立・対等の立場で、互いにけん制しあうことで調和と均衡を図りながら、市民の意思を反映したよりよい市政の実現を目指している。名張市議会はこれまで、「名張市子ども条例」等、6件の議員提案による政策条例を制定した。市への政策提言等を通して市民の暮らしを支える仕組みづくりにつなげるなど、市民の声を市政に反映させるため取り組んできた。
問③ 本当に名張をもっと発展させたいと考えているか?立候補者が少ないことや人口の減少から議員人数も減らした方がよいのでは。
回答 市が提出する議案について、全会一致または賛成多数で可決する案件が多いため、そのように考えられる方もいると思う。ただ、可決するまでの間には、幾度も市から説明を受け、議員自身が感じた質問については、その場や開会中の一般質問で市に質問し、更なる説明を求めている。このようにひとつひとつの疑問を解消しながら、行政執行が適切かどうか、市民の幸せにつながるかを判断して、議決が行われている。また、議員の人数については、前々回の選挙から定数を減らし、現在18人となっている。人口5~10万人の市の平均は、令和3年12月時点で20・6人となっており、名張市議会は全国平均より少ない状態である。定数を減らすことにはメリットとデメリットがあるので、他の自治体の状況も研究しながら慎重に考えていかなければと思う。
問④ 議員との懇談を希望する時は、どのような手続きが必要か?
答 市民の意見を政策提案や提言に反映させるため、議員が皆さんのもとに出向き意見交換を行う「議員まちカフェ」という制度を設けた。市内在住、在勤、在学の5人以上のグループであればどなたでも申し込みが可能で、希望されるテーマで懇談を行う。また、日時や場所についても可能な限り希望に添わせていただく。名張市議会のホームページや議会事務局にご連絡ください。
報告会を終えた福田議長は「初めての試みであり、手探りの所もあったが、市民の皆さんからの意見が聞けてよかった。今後も続けていきたい」と話した。
名張市議会では、今年になってから名張市商工会議所青年部や市PTA連合会、消防団、市立病院を守りよくする会等との懇談会を実施しているが、今回の報告会の他、地域で懇談会も実施している。このように議会が町に出て、積極的に市民の声を聞き、政策提案に反映させたいといった姿勢は大いに評価できる。今回の報告会は、一般参加者が計32人であったが、名張市の有権者が選んだ議員の発言や活動を傍聴やユーチューブ配信、今回提案された「議会カフェ」等を通して、市民がもっと議会に関心を持ち、より一層議員との意見交換が行えれば、住みよい名張市になって行くのでは。