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名張市議会全員協議会 市立病院を独法に

北川裕之名張市長は市議会全員協議会の1月12日、市立病院の経営形態を「地方独立行政法人(独法)」に移行する方針を表明した。法人設立は2025年10月1日を目指す。名称は「地方独立行政法人名張市立病院」となる。法人理事長に、登内仁(とのうちひとし)氏(現地方独立行政法人・桑名市総合医療センター病院長)を任命する予定。市から職員や権利義務を承継し、職員が非公務員となる移行型一般地方独立行政法人とする。
市立病院の経営形態見直しについては、昨年2月に市長の諮問機関「在り方検討委員会」が「独法化が最適」と答申していた。また市議会の市立病院経営改革特別委員会も同年12月、先の答申と同様の中間報告を市長に行っていた。
この日、北川市長は「市民の命と健康を守るため、より強固な経営基盤を確立し、持続的かつ安定的に地域医療を提供し続けるため、独法へと見直すことが最適と判断した」と理由を説明した。全員協議会での市からの説明は、実際に経営形態を変更した病院の状況を知るため、経営形態を「独法化」した病院7件、地方公営企業法全部適用「全適」した病院2件を聴取し、「経営の自主性・迅速性」「職員の意識改革」「医師の確保」の3つの観点から視察。その結果、組織の機動性・弾力性の向上で職員の確保につながり、職員の意識が高まり、業績と連動した給与や賞与で経営意識が浸透する、組織の自由度が高まることで働きやすい職場となり、医師を採用しやすくなる等、柔軟で実効性が高い改善が図られる点で「独法」が優れていると判断したとのことだ。
また、見直しによる財政シミュレーションとして「独法設立する場合の経費」「見直し後の収支に関すること」の2点について分析し、設立に伴う経費として、約1億円必要。法人設立時の純資産の推計は、資産合計52・5億円、負債合計30・8億円、純資産21・7億円と推計され、独法への移行に支障がないことが確認できた等、資料による説明がなされた。
今後の手続きとして、市議会3月定例議会で、定款の制定と評価委員会の設置を提案。24年度に中期目標の策定、権利義務の承継、関係条例の制定・改廃、中期計画の策定を行い、27年度には「単年度黒字(経常収支比率100㌫)達成」を目指すという。
来年10月の法人設立に向け、今年4月1日付けの人事異動で、病院事務局に法人設立準備チームを設置し、準備や許認可手続き等を始める。2月から、在り方検討委員会で委員長を務めた現地方独立行政法人・桑名市総合医療センター理事長の竹田寛(かん)氏を、病院職員を対象とした説明会への参加や、組織及び診療体制の構築の補佐のため、非常勤顧問として任用。4月からは登内氏を常勤顧問として任用し、組織及び診療体制づくりを進める。
市立看護専門学校については、法人設立時に病院の付属施設と想定している。市内で働く看護士の養成という点で、名張市立病院のみならず地域の医療機関及び、施設の看護師確保に一定の役割を果たしていることから、法人設立までに継続して検討する。
市議会全員協議会では市議から、分かりやすい資料の作成で説明会に臨むことや、回数の増加等、市民への丁寧な説明を求める要望があった。共産党会派の議員らから「市民不在の決定だ」「納得できる説明がない」などの意見もあった。
2月に5か所で市民説明会
市は今回の経営形態の見直しについて、次の場所と時間に市民説明会を開く。各回1時間30分の予定。22日・午後2時=市こどもセンター(百合が丘西)▽同・午後5時30分=市防災センター(鴻之台)▽24日・午前10時=桔梗が丘市民センター▽同・午後2時=美旗市民センター▽27日・午後2時=名張市民センター(上八町)。

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