生活道路が広くなった 名張市薦原・遺跡が眠る道路下
県道上笠間八幡名張線の一部が、8月22日併用開始された。山添村と国道368号線を結ぶ重要な生活道路であるが、今回開通した場所は、名張市薦生の中山神社の前の通りで、非常に幅員が狭く車両のすれ違いが出来なかった。山添村から八幡工業団地への通勤ルートとなっており、渋滞で通勤時間帯は通行困難になっていた。
今回は特に狭あいな区間をバイパスする道路で、区間約150㍍、車道巾3㍍×2車線及び2・5㍍歩道(片側のみ)が完成。車道と歩道が分離し、安全性が配慮されたが、この道路は薦原小学校への通学路になっており、児童に付き添う保護者やボランティアから、車が増えスピードを出す等不安の声があがり、合流地点には学校が「飛び出し君」を設置して注意喚起をしている。通学路は、この後も狭あいな区間が続き、名張川を渡る薦生(こもお)橋も車は対向できない狭いもので、付き添う保護者やボランティアの心配は尽きない。計画道路の早い完成が待たれている。
一方、この道路は、令和3(2021)年薦生遺跡として発掘調査され、官衙(かんが・古代の役所)とも考えられる東西30㍍、南北6㍍以上の掘っ立て柱建物群が発掘された。続いて令和4(2024)年には、前年発掘箇所の東約1500平方㍍に、奈良時代の竪穴住居跡が見つかり、井戸やかまどが残っていた。通常の遺跡の場合はそのまま工事によって埋められて復元不能となるが、この遺跡の場合は形状を守る工夫をし、工事を進めたので道路面が高くなっているという。