第3回伊賀市議会6月定例会開会 岡本市長所信表明
6日開会の伊賀市議会6月定例会において、岡本栄伊賀市長が冒頭「こども・くらし・にぎわい」の3点を中心に「当面の市政に対する考え方」を表明。岡本市長が話した主な内容は以下の通りである。
まずコロナ感染については、現在感染者数が下げ止まりであり、予断を許さない状況である。ワクチンの3回目接種者は6割以上に達しており、4回目の接種を受けていただけるよう対象者に接種券の交付を行っている。
「こども」については、今年4月に設置した「子育て支援室」において、ファミリーサポートセンター事業の活性化や市が運営する「子育て支援センター」5か所の一括管理・運営などを行い、子どもの発達段階に沿った発達促進に向けた取り組みとして、関係部署と連携し情報共有と支援強化に取り組む。また、学校施設については、上野南小学校の来年4月開校に向け、現依那古小学校の統合改修工事を進め、今年10月完成を目指す。
「くらし」については、現在行っている伊賀市総合福祉会館の改修工事において、2階からの施設入館を可能とするほか、事務室や会議室等のスペース拡大や相談スペースの拡張など、使いやすい施設となる予定で、8月からの供用開始を目指している。上野総合市民病院については、4月から、肝胆膵外科の高度技能指導医を副院長として迎えるとともに、消化器肝臓内科医を1人増員、5人体制とし消化器内科・外科の診察体制を一層強化した。また、看護師の勤務体制も見直し、負担軽減並びにサービスの向上を図った。さらに、岡波総合病院の工事完了が今年9月末、新築移転が来年1月と聞いている。岡波総合病院と上野総合市民病院がそれぞれの診療科の強みを生かした伊賀市の医療体制構築とともに、隣接する伊賀市応急診療所の一次救急も岡波総合病院の二次救急と連携して、移転後も市民の安全安心な暮らしを支える。防災・減災については「自助・共助・公助」の取り組みを促進し、市と地域が連携した防災訓練を実施してきた。今年も11月6日に壬生野地域で総合訓練を予定している。消防の広域化については、4月1日から「伊賀市・名張市消防連携・協力」協定により、相互応援出動や火災予防運動の連携を開始した。令和6年4月からの共同消防指令センター運用開始に向けて設計業務を進めるとともに、相互応援出動を効果的に行うために、狭隘な地域にも対応できるはしご車の更新を進める。人権施策ついては、昨年4月に県においては「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」が制定されており、多様な生き方を認め合う社会をめざした取り組みが始まっている。伊賀市としても全ての市民の人権が尊重される人権文化の構築をめざし、「性の多様化に関する条例」の制定に向け、当事者からの意見聴取、有識者からの助言等を参考にしながら協議を進めている。 「にぎわい」については、伊賀市の産業全体の振興策の指針として、「伊賀市産業振興条例」を策定し、地域経済を支える産業の振興について基本理念を明らかにし、地域の特性に応じた産業振興を効果的かつ計画的に推進するため、中間案に対するパブリックコメントを実施している。策定委員会で最終案を取りまとめ、年度内に示す予定である。農業については、米販売農家の生産意欲減退を防止するため、「伊賀米次期支援事業」を実施、令和3年産主食用米を出荷した農業者及び農業経営体2236件を支援した。また、集落営農組織支援として実施している「伊賀市集落営農支援事業」について今年度も11組織が本制度を利用して機械導入を計画しており、うち2組織は農業用ドローンを導入し、農業従事者の作業負担軽減や労働力不足解消に取り組んでいる。企業誘致については、上野南部丘陵地における企業誘致活動について、将来の人口減少社会を見据え、更なる財政規模の縮小が予測される中、持続可能な伊賀市のまちづくりに向け、「誇れる伊賀、選ばれる伊賀」として伊賀市の特色を生かした企業誘致を重要施策のひとつとして取り組んでいく。
また、この他の施策として、スポーツ振興や名張市も含めた広域連携、デジタル自治、市税の納付、マイナンバーカードの普及促進などについて、考えを述べた。