第18回名張市長選挙・第5代市長に北川氏
亀井利克名張市長の勇退を受け、20年ぶりの新市長誕生となる第18回名張市長選挙が4月17日行われ、当日開票の結果、元県議で新人の北川裕之氏(63)が、元市議で新人の森脇和德氏(48)に圧勝し、第5代名張市長に当選した。任期満了に伴う市長選挙は10日告示、17日投開票で、当日有権者数は男性30、626人、女性33、395人、合計64、021人で4年前の前回より1、647人減、投票率は56・02㌫(前回51・69㌫)であった。
20年ぶりの新市長誕生
4年前に、両氏は市長選に挑戦したが、現職の亀井市長に敗れ、再度の挑戦となった。選挙戦は、1月に森脇氏が立候補を表明したのに対し、北川氏は県議としての職務の目途がついた2月に立候補表明。やや出遅れが懸念されたが、政党色を抑え、市民党の立場に立ち、「新しい名張を市民と一緒につくる」として、亀井市政の福祉政策の継続とともに、県議で培った三重大等との太いパイプを生かして名張の再生を訴えた。また、コロナ禍で感染対策に万全を期しながら、連合三重の支援を仰ぎながら数多くの個人演説会を開き、地道に選挙戦を戦い、団地票を中心に得票を重ねた。
一方、森脇氏は、無所属での立候補であるが、自民党が推薦し、選挙戦においても小渕優子元経済産業大臣をはじめ、元三重県知事の鈴木英敬衆議院議員や地元選出の川崎秀人衆議院議員など、大物が応援に駆けつけ、国・県・市の連携の必要性を訴えた。また、亀井市長からの宿題として、名張が「選ばれる町」になるために、医療・病院問題解決と中学校給食の実現などを訴えたが、当選には至らなかった。
「皆さんと一緒に新しい街づくりを」
20年ぶりに市長が交代することになった名張市では、2002年亀井市長が就任して直後の発令となった「財政非常事態宣言」が前年度末で解除されたが、まだまだ財政は脆弱であることにかわりはないと言われている。また、少子高齢化、人口減少が続いている現状においての課題は多いが、市立病院改革・医療問題、中学校給食の実現、コロナ禍で疲弊した地域経済振興等々、新市長への期待は大きい。
市長当選が確実となった北川氏は、選挙事務所近くの特設会場(黒田)で万歳三唱の後、「出遅れて思いを伝える時間が不足して厳しかったが、支援者の皆さんが私に代わって伝えて頂いた。多くの皆さんと一緒にやってきたことを考えると、どんな困難も乗り越えられる。市政に関する皆さんの思いを受け止めてコツコツと粘り強く進めていきたい。全身全霊を投げうって新しい仕事に邁進したい。皆さんと一緒に新しい街づくりを始めましょう!」と感謝の気持ちを込めて挨拶した。