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自作日本画「蓮華」 津田さん寄贈

名張市在住の日本画家・津田親重さん(70)が、美術展に入選した作品に加筆した蓮の池の絵「蓮華」を、名張市に寄贈した。作品は、津田さんの希望により、同市滝之原の斎場に展示されることになった。173㌢角(100号)の絵は、亡くなった人を偲び語らう待合ロビーに飾られる。
津田さんは兵庫県洲本市生まれ、日本画家として活躍し、日展をはじめ数々の展覧会で受賞を重ねた。三重県展や名張市美術展覧会等において、運営委員や審査員を歴任し、今年5月には第22回三重県文化賞「文化功労賞」を受賞した。近年は作品制作だけでなく、若い世代への指導にも力を注いでおり、名張市・伊賀市を中心に広く活動している。
作品は2019年の第23回松伯美術館花鳥画展に入選した「一蓮」に、2年近くかけて蓮の花を数輪加筆した。元の絵は奈良の日本庭園「依水園」(日本名勝)の蓮池を描いた。澄み切った蓮池に蓮の花1輪だけの、見るものの精神を集中させる作品であったが、花数輪を加筆することで、外に向かって穏やかに語りかける作品になった。白く輝く蓮と、澄み切って心を落ち着かせる池の水の対比が、飾られる場に相応しい。
北川市長は「市民が人生の流れの中で、色々な思いを感じさせてもらえる作品」と礼を述べ、津田さんは「いつもそこにあることで、多くの人々に眺めてもらえれば」と画家の思いを述べた。絵は9月27日に設置される。

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