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赤目滝水族館 20日グランドオープン

小ぶりだが楽しい展示内容
名張市の赤目四十八滝の入り口に「赤目滝水族館」が4月20日オープンした。地味な印象だった「日本サンショウウオセンター」を改装し、渓谷全体の自然や生命を体現するシンボルの「水族館」として生まれ変わった。同時に駐車場9か所(約300台)はこの日から無料となり、観光地として新しいスタートを迎えた。当日は512名の入場者があった。
NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会の小川貴司理事長は「昭和57(1982)年生まれのサンショウウオセンターが本日、赤目滝水族館として新生オープンしました。野鳥の声、滝川のせせらぎ、自然と一体になった春の自然の息吹を感じられる水族館は、全国どこを探しても無いと思っています。昨年8月頃は市の産業部長と『どうしよう、えらいことになった』と言っていたのが、半年余りでこんなに力強く新しい1歩を踏み出すことが出来ました」と話し始め「玖村健史GMが黙々と真正面からいくつものハードルをクリアし、スタッフ夫々がフォローしながら役目を果たし、夢のような今日を迎えることが出来た。皆さん、スタッフに拍手を」と労いの言葉を語った。
大変な苦労をして、観光地として積年の問題であった駐車場問題が解決し、小粒だが美しい水族館ができた。まさに「夢のよう」な理事長の気持ちが良く表れた挨拶であった。また、水族館のロゴマークにもふれ「尾家君というスタッフが考えてくれた。水族館の朝田館長は音楽家であり、ff(フォルテッシモ)を表している。スタッフそれぞれが生き生きとして、順風満帆とはいかないがマークのようにハードルをこえていくものと思います」と期待を込めて挨拶を締めくくった。
朝田光祐館長(22)は「施設としては凄く小さいが、時期になるとカジカガエルが美しい声で鳴き、山沿いにカモシカも姿を見せ、カワムツやアマゴも水面に映る。岩窟滝迄3290㍍と直結した全部水族館は唯一無二ではないか」と自信を持って話した。
展示は入口から、渓谷のコケ類や植物、渓谷全体を案内するドローンによる映像、下流、中流、上流の魚類、最奥には、渓谷最深部の岩窟滝を模した水槽にオオサンショウウオがまさに生息している。魚類展示の対面には渓谷、里山の生き物である、カエル類、イモリ、ミズカマキリ、珍しい展示ではタウナギがあり、一般の水族館で人気のあるチンアナゴのように、下半身を土の中に入れ、上半身を突き出した姿が興味深く、カメラやスマホの列ができるなど、全43種類の小ぶりだが楽しい展示内容になっている。
テープカットの後、多くの観光客らが入場した。1週間前に名古屋から名張市鴻之台に引っ越してきたSさん(女性)と女児(5・年長組)と男子(13・中2)の家族連れは「新しい水族館がオープンすると聞いて来た。小さいけれど、渓谷全てを水族館に見立てた独特のコンセプトは面白いと思った。でも入り口にその説明を書いて欲しい。展示の順番の理由が分からない。渓流魚の展示も川の下流、中流、上流の意味があるなら、それも書いておいて欲しい。見学時に思ったのは手摺の位置が高すぎる。5歳の子には水槽が見えないので、踏み台のようなものが水槽ごとにおいてあれば良い。滝川の水を循環していることも説明パネルにして欲しい」と沢山の貴重な意見を語ってくれた。この家族は、年間パスポートも購入し「サンショウウオ見学会や、赤目滝の水生生物体験会などもして欲しい」と水族館ファン第1号(?)となった模様。
赤目滝水族館は【営業時間】3月第2金曜から11月30日まで=8時30分から17時▽12月1から3月第2木曜まで=9時から16時30分【休業日】12月28日~12月31日、1月~3月第2週までの木曜日(祝日の場合は営業)【料金】渓谷保全料として大人1000円、子ども500円。障害者手帳、療育手帳をお持ちの方は無料(付添い人は500円)※水族館入館と渓谷内入山のセット料金となっている。

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