コロナを乗り越え旅立ちの春
名張・伊賀の中学校で卒業式
前日までの寒さとは打って変わって雲一つない早春の朝の3月14日、名張市の5中学校では、卒業証書授与式が挙行された。入学してまもなくコロナによる全国一斉休校。幾度となく感染が拡大し、行動制限が出された中で過ごした卒業生は、どんな思いで今日を迎えたのだろうか。
第75回卒業証書授与式が行われた名張市立名張中学校では、全員の進路が確定していないことからコロナ感染防止のため、来賓や保護者も人数制限する中、卒業生、教職員、保護者等、全員マスク着用で式に出席した。式では担任から名前を読み上げられた後、山村浩由校長から卒業生159人一人ひとりに壇上で卒業証書が手渡された。山村校長は式辞で学校への地域や保護者の支援と協力に感謝の言葉を述べるとともに、卒業生に「コロナ禍で大変な状況の中でも、名張中学校の伝統である挨拶と掃除と合唱を立派に引き継ぎ、下級生の手本となってくれた。これからの時代はITが発達し情報化の時代であり、予測不可能な時代である。そうした中において、自分を見失うことなく、自分で考え、行動すること。目に見えるものだけでなく、人を思いやる心を始め、目に見えないものも大切にしてほしい。助けられる人から助ける人に、守られる人から守る人に、人の喜びを自分の喜びにできる人間になってほしい。そして自分を大切にした生き方を」とはなむけの言葉を贈った。在校生を代表して2年生の寺本夢月さんが、困っている時に助けてくれたことや行事や部活動などで色々なことを教わったことへの感謝が述べられた。
最後に卒業生全員が舞台上に勢揃いし、3年間の思い出とともに保護者や教職員に感謝の言葉を述べ、力強い旅立ちの合唱で式を締めくくった。思い出の詰まった校舎を後にする生徒の眼には光るものあった。
名張市では他に赤目中学校109人、桔梗が丘中学校164人、北中学校116人、南中学校93人の合計641(昨年654)人が卒業した。
伊賀市においても、同日市立中学校10校で卒業証書授与式が行われ、3年間通い慣れた学び舎を後に、720(昨年739)人がそれぞれの道を歩み始めた。なお、三重県立高等学校後期選抜合格発表は、17日に行われる。