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三重県初 スペイクリニックが名張で

猫の不妊・去勢手術を移動車で
猫は繁殖力が高く、1匹の雌猫で1年に2〜3回、1回の出産で3〜5匹の子猫を産む。この子猫は4〜5カ月すると繁殖力を持ち、また子猫が産まれる。猫はこうしてどんどん増えていく。しかし、飼い猫として大切に育てられている猫はわずかで、多くが野良猫となり、全体の8割ほどが殺処分されているという。こうした殺処分を減らすためには、不妊・去勢手術が最も有効と考えられる。ただ、手術費が1万5千円から3万5千円ぐらいと高価であるため、なかなか進まないのが現状である。猫に不妊・去勢手術を施し、もとの場所にもどす地域猫(TNR)活動に取り組んでいる奥村祥仁さん(56)は「保健所での不妊・去勢手術では十分な対応ができていない。野良猫を増やさない。不幸な猫を救いたい。もっと安く、近くで手術を受けられるように」と考え、岐阜県から保護猫・野良猫の不妊・去勢手術ができる施設を備えた移動車「にじのはしスペイクリニック」(高橋葵院長)を招いた。11月19日、名張市内で開院したクリニックでは早朝より名張市や伊賀市などからやってきた21匹の猫が手術を受けた。術後、暖かい部屋で眠っている猫を見ていると、思わず「よかったね」と声をかけたくなる。「今度はいつになるか分からないが、続けていきたい」。奥村さんをはじめ、個人がボランティアとして対応している猫問題。人と猫が共生できる社会は、全ての命を大切にする社会。行政の支援が一日も早く届くことを願う。問い合わせは奥村さん(電話080-3619-3257)まで。
なお、本紙11月5日号「保護猫」の記事中、「費用は原則無料」を「譲渡には医療費等が発生します」に訂正します。

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