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「いにしえの名張」展開催 名張はいつも、日本史の舞台

三重県埋蔵文化財センターは6日、第41回三重県埋蔵文化財展「いにしえの名張」の開催を発表した。主催は三重県埋蔵文化財センターと名張市教育委員会。期間は7月20日から8月31日まで。会場は名張市郷土資料館(名張市安部田)2階企画展示室。開館時間は午前9時30分から午後4時30分。観覧料は無料で休館日は毎週月曜と木曜日(祝日の場合は翌日)。
展示内容は、壬申の乱や黒田荘など日本史の主要舞台となった名張、東西文化交流の回廊であった名張市の歴史を「名張のあけぼの」「稲作から古墳出現前後の時代」「美旗古墳群の時代―ヤマト王権の東の玄関口―」「東国への回廊(古代、壬申の乱など)」「黒田荘と悪党の時代」「天正伊賀の乱と名張」の6つの章に分けて、県所有のものと名張市が所有する遺物や解説パネル。
また講演会が2回開催される。第1回「いにしえの名張をひらく」は、30日午後1時30分から3時、講師は三重県埋蔵文化財センターの穂積裕昌氏。縄文から戦国への名張の通史を、万葉集や天皇、黒田荘の遺跡と遺物から読み解く。第2回「名張の古墳とヤマト王権・渡来人」は、8月20日午後1時30分から3時、講師は同センターの髙松雅文氏。古墳時代の名張、美旗、赤目を、石室や副葬品などから王権と渡来人の関係を解説する。講演会には事前の申し込みが必要。
今回の展示は縄文から戦国時代におよぶ遺物300点、遺跡が50に及ぶ。その殆どは名張に関わるもの。遺物の主なものは、赤目一ノ井の辻垣内遺跡から出土した縄文土器。名張市青蓮寺根冷(ねれ)4号墳出土の、貝の入った杯身(つきみ)や鈴台小壺がある。旧伊賀郡にあたる美旗古墳群と名張市安部田と赤目の古墳群の性格の違いもパネル展示で解説される。
昨年4月から9月にかけて1200平方㍍発掘し、今年5月から9月にかけて1548平方㍍発掘する予定の「薦生遺跡」は、奈良時代から中世(1300年前から800年前くらい)の遺跡であることが分かってきた。主要な建物の大きさは東西約30㍍、南北約6㍍に及び、平城京と伊勢や東国を結ぶうえで、重要な役割があったと考えられる。
穂積氏は「いつの時代も日本史の主要舞台のひとつとして存在していた名張。天皇が通過する文化の回廊。西から東からの文化の影響を、出土品とパネルで読み解く歴史の歩みを、家族で見に来て欲しい」と語っていた。
お問い合わせ先と講演会の申し込みは、三重県埋蔵文化財センター=電話0596・52・7034、Eメールmaibun@pref.mie.lg.jp、穂積裕昌さんまで。

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