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いが再発見 No214 28回目の「水生生物調査」

28回目の「水生生物調査」(主催・上野生涯学習推進会議)が夏休みを前にした7月18日、木津川の源流となる伊賀市妙楽地の稲広橋付近で行われた。実施は毎回、国交省木津川河川事務所が協力。ライフジャケットを着た親子連れ208人が参加、川の水を採取して水の汚れを測定した後、実際に川に入り網を使って魚取りに挑戦。カマツカと呼ばれる大きな魚やトンボの幼虫のヤゴを捕まえて、子どもたちは大はしゃぎだった。驚いたことに、国の特別天然記念物で、清流にしか住めない体長50㌢のオオサンショウウオも捕獲。源流が汚れていないことが分かったことも収穫だった。
海の日の記念日のこの日、いつもは静かな伊賀・妙楽地は網やバケツを持った家族連れでいっぱい。3連休の最終日で、川に入れるとあって子どもたちの表情も生き生きしている。主催者側で本日の実地調査の講師も務める辻喜嗣(よしつぐ=62)さんから注意事項の説明がある。①安全第一のため必ずライフジャケットを着用すること②この川は木津川を通り大阪湾に注いでいる③これまではきれいだったが、今年の川の状態はどうか、しっかり調べてほしい、と励ましの言葉がある。
稲広橋の河原に下りた子どもたちは、それぞれ水質検査キットを渡される。パックテストと呼ばれるもので、小さなポリエチレン製のチューブに試薬が入っており、水と混ぜて水質を検査するのである。渡された紙コップで川の水をすくう。パックテスト開始。数値がゼロであれば、水がきれいなことが実証される。一方でコップにしょう油をたらしてこれもテストする。源流の水は薄いピンク色。数値はゼロ。ヤマメやイワナがすめる環境であることが証明された。ではしょう油をたらした方は。数値は5。コイやフナは生きられるが、渓流のサカナはすめないことが分かる。聞きながら、子どもたちはうなずいている。
さっそく調査スタート。網を持った子どもたちがジャブジャブと川に入る。やみくもに網を水面に入れる子、慎重に網ですくう子ども。水深30㌢。川遊びには適当な深さである。ときどき足を滑らせて水に浸かる子もいるが、なぜか楽しそうだ。
「3匹取れた」と男の子の声。のぞいて見るとバケツの中に2㌢ばかりのサカナが泳いでいる。あとで調べてもらうとヨシノボリと分かる。今度はその下流の方で声がする。「ピーマンとオニヤンマをとった」
見ると大きな網にピーマンが1個。手にはトンボが1匹。どうしてとったか分からないが、確かに緑色のピーマンが網の中にある。見るとほかの子の網の中にもピーマンが2個。上流には人家がないということだった。誰かが川に流したのかもしれない。
川の中で子どもたちを前に指導員の声がする。「下流に網を置いて上流から足を使って驚かすと魚がよく取れるはずだよ」
何とか子どもたちにサカナを取る喜びを体験してもらおうと指導員も一生懸命である……

続きは令和4年7月23日号の伊和新聞に掲載しています。
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