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高校生たちは考えている 上野高校ポスターセッション発表会

三重県立上野高校で11月15日、伊賀の課題や今後について、地域の人の協力を得てフィールドワークを行い、地域の課題について探究・協働してまとめたものをポスターにし、生徒が互いに質疑応答するポスターセッションが開かれた。  参加したのは普通科1年5クラス199人。テーマは「空き家問題/地域活性化」「観光/交通」「天神祭/伝統産業/食文化」「スポーツ/その他」「伊賀の魅力発信等」のカテゴリーから決定。体育館全体にレイアウトされた43枚のパネルに、4~6人が1チームとなって発表し、熱心なセッションが展開された。
「伊賀鉄道を世界的に有名にするには」では、5人のメンバーと伊賀鉄道駅員とのやり取りが報告された。「伊賀鉄道の魅力は何ですか?」「昔の駅が残っており、手書きの切符が使われていること等、暖かさや昭和の雰囲気が残っているところ」「伊賀鉄道が開催するイベントにはどんな人が来ていますか?」「イベントによって異なるが、5月の伊賀鐵祭りでは鉄道好きな大人や子供が多い」「日本や世界に発信していることは?」「『忍者パック』という海外からの旅行者に向けたツアーをしている」等の答えがあった。これらの応答を基にグループは、「イベントはしているがPRが足りなくて、みんなに知られていない」と判断した。解決策として「海外用のSNSのアカウントを作り、日本が好きな海外の人に忍者列車のビジュアルを知ってもらい、若者にイベントやツアーの情報を発信する。幅広い世代に知ってもらうため、新聞や広報など色々なメディアを活用する」と結論付けた。
これに対してギャラリーから「SNSの利用、忍者列車のPRは良い。絵とかグラフがあった方が良かった」など意見があった。伊賀鉄道に関するパネルは6枚あり、生徒たちの伊賀鉄道への思いが伝わってきた。
「旧伊賀市役所が必要な理由とその後の変身」には4人のメンバーが参加し、コンクリートや床が剥がれて傷んでいる旧市役所の写真を提示しながら、何故この庁舎が必要とされているのか考えた。調べて分かったことの1番目は、このように古い庁舎を再利用することはあちらこちらで行われている。2番目は、この建物の設計者が坂倉準三という有名な建築家であることだからなのか?と微妙な判断。今後この建物は改修工事が行われカフェや図書館、宿泊施設へと変わり、新しい交流の場として利用される事が分かり、このような再利用は他県でも行われていることも分かった、と結論した。ギャラリーからは「説明がしっかりできた。が、声が小さい」と反応があった。
「伊賀市活性化大作戦」では6人が発表。「若者であふれる伊賀市にするには?」で伊賀市の過去3年の転出入人口の推移を表し、秋田県大仙市のリノベーション成功を例に掲げた。そして「いま伊賀市がしている「4つの目標」のうち、2番目の子育て支援にもう少し力を入れるべきとした。そして「今の伊賀市に満足しているか」「大学を卒業した後、伊賀市で就職したいと思うか」のアンケート(回答129人)の結果を円グラフに表し、満足度では普通が67㌫、伊賀市での就職は「思わない」が57㌫であった。役所の人の話を聞くと、必ずしも市内就職にこだわる必要がない事が分かった。結論として、県外へ出た時の県内の情報が足りない。Webなどで情報の充実を図ることでUターンを促すことに繋がる、と結論を出した。
ギャラリーからは、「図を使って発表して分かりやすい。自分たちの意見も上手く混ぜながら発表していた」と評価されていた。体育館全体に、活気あるセッションの声と熱気が満ち溢れていた。

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