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名張市議会 議会報告会・懇談会 活発な議論が交わされる

名張市議会の令和5年度議会報告会・懇談会が1月28日、市役所1階大会議室で細矢一宏市議会議長始め議員17人全員出席のもと、坂本直司副議長の司会進行で進められた。市民の出席は約50人であり、懇談会では熱心な意見が交わされた。
初めに議会報告として各委員会から報告が行われた。総務企画委員会は富田真由美委員長が、平成30年7月に豪雨災害に会い、その後災害対策や情報収集の対応を進めている岡山県の高梁市の視察や、丹波篠山市の避難計画地域造りについての視察などについて報告した。次に教育民政委員会の永岡禎委員長が、放課後児童クラブ、放課後子ども教室の一元化を目指し、子どもの居場所づくりに関する専門部署の設置を検討するよう、教育委員会に申し入れている旨の報告があった。また、産業建設委員会は阪本忠幸委員長から、産業振興を目指したまちづくり委員会や、地域おこし協力隊との懇談会について報告があった。市立病院経営改革特別委員会は永岡禎委員長から、令和3年12月の特別委員会設置から17回の議論を経て、昨年12月議会特別委員会での中間報告「独立行政法人化」への市長報告に至る経過報告があった。
懇談会に入り、主な議論は「放課後児童クラブと放課後子ども教室」「中学生の不登校が増えていること」「中学校のクラブ活動」また「市の財政状況と都市計画税の扱い」そして、「市立病院の独立行政法人化」が多くの時間を占めた。
「放課後児童クラブ」は管轄が厚労省、「放課後子ども教室」は管轄が文化省という根本的な問題がある。専門部署を設けて検討するよう教育委員会に申し入れていること。不登校の増加については、通信教育制の高校、自由登校の高校(具体的な名前は出なかったが、英心高校であろう)の例など、不登校対応についての話があった。中学校のクラブ活動については改めて検討するなど、永岡委員長が現況について話をした。
「市立病院の独立行政法人化」については、市民の側に理解不足があり少ない情報による思い込みや、固定観念のまま質問があり、議員側の回答が市民の側からすればズレていて、議論が噛み合わない状態で時間が過ぎた。やや理解が進んだとき1人の女性が「次の市立病院経営形態見直し説明会の時、独法化して良くなった例やシミュレーションなど、分かりやすい資料を配布するよう要望する」と意見を述べた。彼女は議会に要望していたのだが、この時永岡委員長は「私たちも同じ要望をしている」と答えた。しかし、彼女は委員長から「そのように用意します」の答えを期待していたと思う。議会と行政を市民が混同しているのがズレの要因。「独法化」については「新しい病院が市民の税金で、民間病院のように好き放題する」という誤解が多いと感じた。
熱心な議論は終わる気配がないほど続き、時間を超過して懇談会は終了した。「こんな場をたびたびやって欲しい」という1人の市民の声が、懇談会が有意義であったことを物語っていた。質問した市民の数は14人であった。
懇談会の後、希望者により議場の見学会が行われ、3人の市民が参加した。旧町に住む松岡信二さん(55)は「初めて議場に入ったが、天井が高くて照明がきれい。赤いじゅうたんがふかっとして厳かな感じがする。こんなところで議論が交わされるのか……」と感想を述べていた。

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