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赤目滝水族館オープン!!

名勝・赤目四十八滝入口にあるNPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会が運営する、日本サンショウウオセンターが改装し4月20日、赤目滝水族館として新装オープン。15日に内覧会があり淡水魚水族館に模様替えした新しい姿を披露した。
新しく水族館長になった朝田光祐さん(22)は「目の前の赤目四十八滝渓谷を水族館の一部として捉え、生命息づく渓谷の自然を楽しんで頂く超大規模な水族館です」と自負している。
日本サンショウウオセンターは、赤目渓谷に住むオオサンショウウオを中心として内外のサンショウウオの仲間を展示し、併せてオオサンショウウオの調査研究施設として運用されてきた。しかし、施設の老朽化とサンショウウオに特化した展示は、今日の観光客のニーズには合致しなくなっていた。今回の展示は、市地域力創造アドバイザーで水族館プロデューサーの中村元さんの「水族館」にすべきとの助言を得て、朝田さんと保勝会の仲間6人が殆ど手作りで改装を行い、展示用の生物も渓谷内で捕獲。他にも無償で協力して頂いた人々のおかげで、約90万円の費用で収まった。
水族館の入り口では渓谷内の樹木とコケ類の展示があり、ドローンによる渓谷の紹介映像で迎えられる。まず「赤目魚」の展示水槽で始まるが、「赤目」の名は役行者がこの地で修業をしている時、不動明王が赤い目の牛に乗って現れたという伝説に由来する語源となった「赤目牛」との言葉合わせでもある。そこから下流、中流、上流の順に、ギンブナ、オイカワ、カワヨシノボリ、イトモロコ、カワムツ、シマドジョウ、アマゴの稚魚と渓谷の魚類展示が進み、最上流の岩窟滝を模した水槽で、滝に棲むオオサンショウウオの展示となる。魚類水槽の対面には、里山の生き物であるタゴガエル、ナガレヒキガエル、ピカーラウナギ、タウナギの展示があり、中間には新しく渓谷の両生類用に水槽が設置され、渓谷の両生類であるアカハライモリ、アマガエル、ヤマトサンショウウオ、ミズカマキリ、シュレーゲルアオガエルが展示されていて、いつまで見ていても飽きることがない。こじんまりとした美しい淡水魚水族館が出来上がった。

全国最年少「館長」
若い水族館長の朝田さんは、幼い頃から好きだったサッカーとピアノを学ぶため、中学1年でニュージーランドに留学しパイプオルガンを習得した。17歳で帰国し音楽活動を始めようとしたところコロナで不可能になった。そこで子供の頃から好きだった生きものの勉強を始め、動物飼育の専門学校に入学。そこでサンショウウオ研究の講師と出会った。その縁で赤目渓谷保勝会からサンショウウオセンターの飼育担当の誘いを受けた。赤目渓谷なんて全然知らなかったが、来てみて渓谷の美しさに魅了され、飼育主任として就職することになった。想定外の出来事も引きずらず、人生をズバッと切り替えられるのが凄みで魅力。
朝田さんは「生きものが棲み易い環境が、手づくりで出来た。改修期間が1か月しかなかったが、ようやく、やっと、スタートラインに立った気がする。今回は1階の工事だった。2階はこれから、楽しみながら、お客さんの意見も聞きながら考える」とポジティブに話し、ジェネラルマネージャーの玖村健史さん(47)も「今日は多くの人に祝って頂いた。やる気を見せることができ、いいスタートになったと思う。落ちぶれていく観光地でなく、希望を持てるものになっていく予感がする」と、しっかり前を向いて話していた。

滝エリア駐車場全面無料化 名目変更で入山料も改定
20日の水族館オープンに合わせて、当エリアの駐車場(約300台)は料金が全面無料となる。従来は土産物店がそれぞれに1日500~800円で駐車場を営業していた。これ迄は駐車場料金以外に入山料500円が必要であり、入山ではなく他の用件で短時間駐車する場合も1日分の駐車場料金が必要など、苦情が寄せられていた。
赤目四十八滝では、1992年の34万人をピークに入山客が減少し、2022年には10万人を割り込むに至った。一方、赤目滝門前を「赤目小町」と名付け、観光庁の補助を受けた高付加価値化事業が進むなど、危機感を持って集客に向けた施策に本格的に取り組んでいる。赤目四十八滝渓谷保勝会は23年9月から陣容も変わり、地域全体の魅力向上を目指している。駐車場の無料化を目指して事業者ひとり一人と話し合いを重ね、3月に入って最終合意に至った。内容は、入山料大人500円を渓谷保全料1000円、小人250円を500円にし、その一部を駐車場事業者に還元するとした。
「駐車場は大きな問題だったが『赤目小町』など、赤目のブランド化の事業が進んでいることや、昨年9月から保勝会が体制を変えて臨んだことなど、赤目のみんなの気持ちが1つになって盛り上がったのが大きい。水族館化は緒に就いたばかり、これから徐々に充実させていきたい。色々な事がやっとスタート地点に立ったばかり」と渓谷保勝会の小川貴司理事長は話している。