裏千家専任講師・松原宗巻さん
田中善助翁を偲んで
「三重三大偉人の一人」田中善助が亡くなったのが、1946年3月28日。今年で75年になる。水力発電・鉄道敷設・景観保全・銀行開設、旧上野町長……。功績をあげればきりがない。「伊賀近代化の父」とも言える人田中善助。
その田中善助の偉業を忘れない、感謝の気持ちを持ち続けてほしいと月命日の28日に茶会を催している人がいる。名前は、松原小巻(茶名は宗巻・そうかん=写真中央)さん。裏千家専任講師で、田中善助の遠縁にあたるという。
松原さんは以前介護職をしていたが、上野市(伊賀鉄道忍者市)駅前の土産物屋をしていた親の後を継ぎ、茶道教室と和小物の店「松涛庵」(伊賀市上野丸之内)をオープン。2016年から芭蕉ゆかりの寺、故郷塚がある愛染院(伊賀市上野農人町)内の瓢竹庵(1854年安政伊賀上野大地震により倒壊、1926年田中善助により再興)で月命日茶会を催している。
躙り口から入って四畳半間の茶室、床の間の軸と茶花が客を迎えてくれる。夏は風炉、冬は炉にかけられた釜の沸き立つ音が心地よい。茶会は毎回趣向を凝らし、2月はひな祭り、6月は祇園祭り、11月は夜咄などといった季節にあった茶碗や菓子が出され、亭主の宗巻さんから作者や謂れについて説明を受ける。そうしているうちに薄茶が出される。二服もいただける。今は大きな声を出さないでの問答。コロナ禍での茶会である。参加費1000円。ただしその内、200円は拝観料として、故郷塚や瓢竹庵の保存協力金。
松原さんは、茶道の他にも、上野天神祭では小玉町笛方として楼車に乗ったり、いがぶらに参加したり、とにかく明るくそして「伊賀大好き」な人である。
茶会というと堅苦しいとか正座が苦手といった声が聞かれるが、伊賀のことや田中善助のことなど楽しく、わかりやすく聞け、茶会が初めての人でも気軽に参加できる。菓子もお茶もおいしく大満足の善助月命日茶会。一度参加してみては。
問い合わせは、松涛庵(松原宗巻)、電話0595・24・0881まで。
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