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のびのびと自分を表現 名張高校美術専攻卒展

三重県立名張高等学校の表現デザイン系列美術専攻の3年生11人が、11~12日にイオン名張店3階リバーナホール(元町)で、卒業制作・授業作品展を開催した。
会場には大きな約100号の油彩画11点を始め、パッケージ、絵本、不定形スケッチ、シール等、大小の作品約200点が展開している。1人1点の100号の大作を起点として、それ以外は自分のそれまでの人生とこれからの未来を、思い思いに様々な形で表現。ずらっと並んだ大作を目の前にすると、一目で自由で伸び伸びした学園生活を伺うことができた。
大きな般若の面が迫って来る「NO MUSIC NO LIFE」を描いた山田悠莉さん(18)は、「日本画が好きで、インパクトのある日本画風の素材と、大好きなロックのリズムを融合したかった」と話した。ヘッドホンをした般若の周囲に絶え間ないエネルギーが描きこまれ、周辺の円形パターンには力強いリズムが感じられる。彼女の絵だけ、キャンパスの厚みの部分も細かく隙間なくパターンが描きこまれている。様々なスケッチも見せてもらったが、どれもエッチング(針で引っ掻いた繊細な銅版画)かと思うような細かく隙間の無いパターンが書き込まれている。小学校中頃から絵を描き始めたそうだが、美術教室に通ったことはないという彼女だが、独特の感性が育っている。ジュエリーデザインの専門学校に進学が決まっているというが、繊細な感性になる程と思った。
指導の山口智優(ちひろ)先生は「100号の油彩画は何か月もかけ、みんながコツコツ丹念に描いた。それぞれに自分をしっかり表現した作品になっている。それ以外は自由に、家にある自分の宝物を持ってくることも含めて、全てで自分を表現している。生徒たちがやりたいと思うことを、出来るだけ叶えられるよう尽力した。みんな仲良しで、自分のやりたい思いを持っている子どもたち。社会人になると色々と制限が多いから、今思い切ってのびのびと表現するように導いた」と生徒たちと自らの指導について語り、11人全員が大学や専門学校などに進学が決まっていることについても「新しい進路を恐れずに楽しんで欲しい」と自分の事のように意気込んで話していた。