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伊賀上野城 幽玄の世界出現

8月13・14日の2日間、伊賀上野城周辺には不思議な幽玄の世界が出現し、大勢の人で賑わった。今年で5回目となるライトアップイベント「お城のまわり」は、両日ともイベント開催の午後5時までに、何度も雨が降り、開催が危ぶまれた。しかし、開催時刻となると雨も上がり、むしろ涼しくしっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出した。伊賀上野城本丸広場には、何十本もの竹あかりが幾何学模様に組み立てられ、竹からこもれるあかりが幽玄の世界を一層際立たせている。
お城に通じる階段には、色とりどりの和傘が道案内。俳聖堂の前の特設ステージでは、ダンスフェスティバル。見物人も音楽に合わせて体を動かしている人、出演者の保護者だろうか写真撮影に没頭している人等々。「俳句と食」をテーマに展示している芭蕉翁記念館には、多数の入館者が熱心に見学し、にわか芭蕉ファンも出現。記念館前の10台近いキッチンカーには、多くの人が列をなしていた。夜の伊賀上野城から見る伊賀の町の夜景も最高、旧史跡崇廣堂でのステンドグラス展や伊賀伝統伝承館(伊賀組みひもの組匠〔くみ〕の里)など、伊賀ならではの文化施設や歴史的建造物もライトアップされ、ロマン溢れる真夏の伊賀を楽しむ絶好の機会となった。
終了の時刻が近づいた午後8時過ぎには、島ヶ原花火の音が遠くで聞こえてきて、夏祭りムードも一段と盛り上がった。コロナ感染拡大防止の呼びかけに呼応して、全員マスク着用。SNSにアップするのか大勢の写真家がフラッシュをたく。「美しい。凄い」の声があちらこちらから。お城へと急ぐ子どもの手を引いた女性は「以前来た時は、バギーを押して上がるのが大変だったけど、通路がこんなにきれいになったいるのにびっくり」と舗装され歩きやすくなった通路を足早に上って行った。
主催者の「お城周りライトアップイベント実行委員会」では、「コロナ対策に万全を期して実施したが、感染の急拡大に心配もした。しかし、多くの人から3年ぶりの開催に心癒されたとの声を聞いて、大変嬉しく思っている」と話した。なお、2日間で12、000人(主催者発表)の観覧があった。