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52年の歴史に幕 名張幼稚園閉園式

三重県名張市で最後の公立幼稚園として残っていた市立名張幼稚園(丸之内)で3月22日、卒園式と閉園式が催された。
北川裕之名張市長は「開園以来、幼児教育の充実発展に向け、歴代の園長、職員により創意工夫ある教育活動が進められ、公立幼稚園としての役割を果たしてきた。しかし少子化や社会経済情勢の変化による園児数の著しい減少に伴い、52年の歴史に幕を閉じることになった。保護者、地域の皆様には園児たちの健やかな成長を願い、温かく見守り支えて頂いたことに深く敬意を表します」と式辞を述べた。北川由香園長は、昭和46年開園以来、多くの保護者や地域の人々に見守られ、世話になったことなどへの謝辞を述べ「これまで名張幼稚園を巣立っていった全ての子どもたちが、明るい未来に向けて歩み出すことを心より願っている」と語り、子供たちの方を向いて「サヨナラするのはとっても寂しいけれど、ばら組で歌っている『ありがとうの花』のように、おもいでの花をたくさん咲かせてください」と話しかけた。
園の歴史「52年の歩み」の映像を見た後、「ありがとうの花」と「園歌」を子供たちが元気に歌った。西山嘉一教育長が「関係するすべての人に、深く感謝を申し上げ、これまで培われてきた幼児教育に対する努力と熱意を今後も引き継いでいく」と閉式のことばを述べた。その後園庭で風船を飛ばし、花輪をくぐって閉園式を終えた。
3年前に長女が卒業し、この日長男が卒業したふたば会(保護者会)会長の永友春香さん(31)は、「閉園を聞いたのがいきなりだったので驚きと戸惑いがあった。でも決まっていることなので、親子で楽しめる行事を増やした。子どもたちには、友だちを大切に、皆で協力して、しっかり成長して欲しい」と話していた。  元園長の山村弘子さん(78)は「子どもたちからいっぱい教えてもらった。この園庭には四季折々に花が咲くように色々な木が植えてあり、実がなるようになっている。そこで子どもたちが遊んでいる風景を思い出す。美旗でザリガニ釣りをして大はしゃぎで子どもたちが喜んでいたのが目に浮かぶ。子どもが喜ぶとこちらも嬉しくなった」思い出を次から次に話しながら、子どもたちを見送っていた。
当園は、昭和46年に名張市に初めての公立幼稚園として開園した。人口の増加に伴い、昭和52年に現在の地に園舎を新築・移転し、4歳児・5歳児の2学年による6学級210人を定員として、増大する幼児教育に対応して来た。この日までの卒園者数は3763人に上る。園児数の最大は昭和54年の212人であった。
張幼稚園の園舎は増改築され、昨年閉園した桔梗南幼稚園、大屋戸保育所と統合し、0歳児~5歳児を対象とする民営の認定こども園として、令和6年度に開園する予定。