三重県文化功労賞受賞 陶芸家・小島憲二さん
伊賀市丸柱の陶芸家・小島憲二さん(71)が「第23回三重県文化功労賞(美術・陶芸)」を受賞し7月8日、同市役所を訪問し岡本栄伊賀市長に報告した。
小島さんは愛知県知多市生まれ。県立常滑高校窯業科を卒業後、焼物を志し現在の丸柱にある窯業会社に勤務しながら、備前焼の小西陶藏氏に師事。73年には朝日陶芸展に初入選。79年に伊賀丸柱に窯を開き、以後、朝日陶芸展、中日国際陶芸展、日本陶芸展、陶芸ビエンナーレ展など入選を重ねた。各都市の百貨店で個展を開くなど愛好家が多い。伊賀陶芸界の会長を務め伝統の継承や、陶芸の普及などにも力を尽くしている。
第23回三重県文化賞は文化大賞1人、文化功労賞3人、文化奨励賞4人と1団体、文化新人賞5人が選ばれた。文化功労賞は芸術、伝統芸能、生活文化などにかかる活動と功績が優れ、三重県の文化の活性化に貢献した個人及び団体。概ね20年以上の活動歴を有する人が対象となっている。
岡本市長への報告の中で小島さんは「受賞の知らせを受けた時、地場産業の活性化ということで頂ければよいか」と思ったという。高卒後伊賀に来た時、知多の海辺で育ったので、伊賀丸柱の冬の寒さに驚いた等の話をした。「伊賀焼古典の良さを踏まえつつ、今の形をつくらないといけないのが僕らの仕事」と語り、受賞の記念にまゆ玉をイメージした「SUMU」と「スライスの壺『芯韻』」の2作品を寄贈した。「今やっておかないといけない仕事」として「もう1回、古伊賀と勝負できるものにチャレンジしてみたい」と意欲に満ちた抱負を話していた。
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