忍者ってなんだ!
「現代忍者」が易しく執筆
伊賀市在住で「伊賀忍者研究会」代表の池田裕(ひろし)さんが新書版80㌻の「忍者ってなんだ!」(揺籃社)を刊行した。東京都八王子市の郷土史家・遠藤進さんとの共著。第1章・忍術、第2章・忍者歴史、第3章・八王子の忍者、第4章・忍者コラムの構成で、全部で64のエピソードからなり、忍者に関して全ての方位から簡潔に解説し分り易い内容。また八王子の忍者に言及があるのも珍しい。
池田さんは自らを「現代忍者」と称して年齢不詳。表向きは高等学校の英語の教諭だが、裏の仕事つまり忍者としては、忍者普及活動である。忍者になりきり、忍者・忍術の研究を続けながらSNS等で忍者の魅力を発信し続け、海外でも忍者の講演を10年以上続けている。忍者は情報の要で、三重大学などの学会や、修行者とのネットワークも広い。
忍者の生き方や技術を現代に応用する「ニンジャロジー」という言葉を作り、産経新聞三重版に11年間連載し、読売新聞伊賀版の「いが地名考」(6人の著者でローテーション)では15年間、忍者にかかわる地名を発信してきた。
忍者は植物を3つのカテゴリーに分類(食草・毒草・薬草)する。その植物が縁で、昨年11月八王子の遠藤進さんとSNSをやり取りするようになった。遠藤さんは「高尾山の花名さがし隊」代表。「大久保長安 家康を創った男」などの著書もあり、今回の第3章八王子の忍者を担当し、各章のイラストの多くを描いた。今年に入って制作にかかり7月20日出版にこぎつけた。
大阪府堺市に生まれたが、少年時代に「カムイ伝」「仮面の忍者・赤影および白影、青影」「伊賀の影丸」に夢中になり、長じては忍者を求めて伊賀に居を構え、「現代忍者」と称して忍者となり、忍者を発信する池田さんは「実像の忍者像を伊賀から発信するのが重要と考えてきた。今回は分り易く、忍者の実像や歴史を理解してもらえる本になったと思う」と満足気に話した。小学生上級くらいの忍者好き少年・少女は夢中になって読む姿が想像できるし、大人にとっても手元にあると楽しい書物である。
税込み1100円。伊賀市の岡森書店白鳳店で販売し、今後は伊賀・名張主要書店に販路が広がる予定。アマゾンでも購入できる。
池田さんから22日に伊賀市の谷口修一教育長、26日には名張市の西山嘉一教育長へ「忍者ってなんだ!」寄贈式が行われ、伊賀市30冊、名張市21冊を、それぞれの市の小中学校全校と図書館に寄贈された。
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