名張の歴史に熱中!
大野典子さん(昭和49年生まれ)
名張市緑が丘在住の大野さんは、名張市民センター(上八町)の職員。経理職だが『なばりまちなか歴史講座』も担当していてる。
大阪生まれ名張育ち。「長く住んでいる割に名張の歴史を全く知らなかった」と話す。しかし、同講座を担当するようになってから7年。「今ではこの講座が楽しくて楽しくて燃えています」と熱い。
歴史講座の魅力
大野さんは、平成25年に同センターに経理として就職。当時の生杉館長が歴史好きだったことから同センターに歴史講座が立ち上げられた。そこで、入社2年目の大野さんが抜擢されて、生杉前館長とともに講座を担当することになった。同講座は、座学の後に現地に赴くスタイル。講師は、松鹿昭二さんが務めていて、例年50人の定員枠が即、埋まるほど人気。「松鹿先生のファンが多くて、現在、おきつものボランティアガイドをしている方もたくさんいらっしゃる」と大野さん。内容の濃い講座が開かれている。一方で、「現地学習では、その方たちにお手伝いいただけて、すごく助かっています。だから私も、いち受講生の気分で一緒に勉強させて頂けています」とも。
現地学習は、50人あまりが連れ立って行くので、毎回、松鹿さんと入念な下見をする。「動物霊園から青山まで横断するぐらい歩きました。向こうの尾根も全部。あの山の中に祠(ほこら)があったり、お墓があったり、いろんなものの歴史を知って景色が変わりました」と熱っぽく。
同講座は、主に、同センターの区域内の歴史を学ぶ。しかし、要望によっては、地区外に赴くことがある。そこで他地区の区長やまちづくりの人との関わりができる。そんな出会いも、この講座を担当して良かったことのひとつだ。無断で入ってはいけない場所も、趣旨を説明すると親切に案内してくれる。
7年間、同講座を担当して『歴史を知ることで地元を好きになって大切にできる』と実感している。「例えば、松の木1本見てもそれにまつわる伝承を知るだけで、あの松を叩いたりできなくなると思います。道でも、昔、誰かが出会った場所とか、誰かが亡くなった場所とか、そういうことを知るとゴミなんか捨てる人はいなくなるかもしれない。本当に見える景色が変わるんです」と語る。
確かにそこにあったという痕跡を見ると不思議な思いと面白いという思いが一緒に湧いてくる。「本当に歴史を感じる」と。現地学習は不可欠だ。
コロナ禍の講座
この2年間は、自粛で現地に行けなかった。民間では開催しているところもあったので、たくさん要望があったが、公共施設の講座なのに他地域に大勢で赴くことに遠慮して中止となった。代わりに参加人数を半分ずつにして特別講座が行われた。
しかし、同講座は現地学習が大きな魅力。「このままコロナが収束したら、今年こそ広く参加を呼びかけたい」と大野さん。
時には危険な場所に赴くこともあって、過去には山から落ちて怪我人を出したこともあった。そんな経験から安全に開催することへの思いは強い。「今回のコロナでは、みなさんに申し訳なかったのですが『何もなかったじゃないか』と怒られる方がまだいい」との思いを口にする。
今後の目標は
大野さんは、人との出会いを通じて、将来ボランティアガイドになりたいという夢を持つようになった。60歳が目標。「もともと歴史好きでもなんでもなかったのですが……今はもう楽しくて楽しくて」と笑う。「私の力で歴史の痕跡を保存することはできないですが、伝えていくことはできると思います。すごい!と感動したら誰かに伝えたくなって」と。そして、地域の人に地元の良さを発見して大切にしてもらいたいと思っている。
コロナが収束して、子どもの受験も終われば、他地域の主催講座を受講して、もっと知識を深めたい。
今年の抱負は「健康で1年を過ごしたいと思っています」。
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