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「名張きぼうのこども園」竣工

3園統廃合し認定こども園に
名張市は、一昨年に市立桔梗南幼稚園、昨年に市立名張幼稚園、今年は市立大屋戸保育所を閉園した。それら3園を統合した幼保連携型認定こども園「名張きぼうのこども園」を建設していた。竣工式が行われた3月25日、北川裕之名張市長、市から民営化移管先法人として運営を受ける社会福祉法人名張厚生協会、市の関係者ら約40人が出席し新施設の完成を祝った。
新施設は、昨年閉園した名張幼稚園跡(敷地約4390平方㍍)に建設し、既存建物(保育棟・鉄筋コンクリート造)の改修及び木造平屋瓦葺き建物を、敷地南の藤堂邸側に新築(建築面積約1040平方㍍)した。新築した建物には、ランチルームとしての通常の機能の他に子供らが食材を洗ったり、簡単な調理が体験できる子どもキッチンの設備も整っており、未就園の親子が集う子育て支援ルームも設けられている。
保育棟は全体に自然素材による木質感が暖かく、がっちりした木のジャングルジムがあり、こどもたちの年齢によりサイズも異なっている。2歳児以下の部屋には畳敷きスペースも用意されている。天井の明り取りの法面は部屋ごとに色が変わり、優しい光が部屋を照らす。5歳児と4歳児の部屋の中間、3歳児と2歳児の部屋の中間に「隠れ家」と称する小部屋があり中には仕切りや棚等、子どもたちが遊ぶ工夫をしながら学べるようになっている。ホールは以前と同じ用途だが、ボルダリングが2面追加されている。明り取り上部の煙突状の突起は赤く塗られ、外から見て楽しい建物であることを表している。
藤堂邸側の新しい建築は、長い直線の深い瓦葺き屋根と木の柱が日本建築として非常にシンプルで美しい。同時に隣の藤堂家邸とは違和感が全くない。
設計管理をした森本建築事務所代表・森本雅史さんによると「藤堂邸の街並みと一体になることを念頭に、街並みと子どもたちの生活を結びつけるのに苦心したし、最も大切に心がけた。土や自然素材が子どもたちに良い影響を与えるように考えた」と基本コンセプトについて話し、園庭の真ん中に、楠木を中心に古い木のジャングルジムと、反対側に赤い郵便ポストがシンボリックに配されていることについての質問には「あれは、もともとあった名張幼稚園の『記憶』として大切にした」と設計管理における配慮を述べた。
式では同法人の山口伴尚理事長が「子どもたちの命が輝く楽しいこども園に、子どもたちの希望を力に職員一同努力する。子育て支援にも積極的に取り組みたい」と抱負を語り、北川市長は「桔梗南、名張、大屋戸の3つの園所は残念ながら閉鎖となったが、統合する形で厚生協会さんの力をお借りすることになり、心から嬉しく思っている。新しい園長さん始め皆さんマインドのある方が運営頂けるのは有難い」と挨拶した。福永かほる園長は「一歩一歩手ごたえある保育をしていく。笑い声の絶えない希望のこども園を作っていきたい」と話した。
園児の定員は、0歳児~5歳児までの85人で、障害のある子どもも各クラス2、3人受け入れる。職員は保育士、調理員、その他で約45人。ICTシステムを導入し、登園管理や園だより、献立等の保護者との連絡はペーパーレスを目指す。開園は4月1日、開園式は4月6日の予定。事業費(設計管理費及工事費)は約4億5000万円。名張市の事業補助金は約2億2000万円、同厚生協会の自己負担は約2億3000万円となっている。