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共同消防指令センタースタート

伊賀·名張の市民を守る119
伊賀市と名張市の両消防本部が共同整備を進めてきた消防指令センターが、4月1日から本格運用を開始した。伊賀市消防本部庁舎3階(緑が丘東町)に設置完了し、最新機器が導入され、火災、災害、救急時の迅速な対応が可能となっている。3月28日には岡本栄伊賀市長、北川裕之名張市長も列席し開所式が行われた。
両市はかねてより消防連携について打ち合わせを続けてきたが、2019年3月「消防広域化及び連携協力に関する協定書」の推進計画を策定し、2022年4月同推進計画を調印。消防訓練を共同で実施するなど連携の実績を重ねてきた。この日「高機能消防指令台」を配備した消防指令センターの運用の日を迎えた。
高機能消防指令台は、119番通報が重なっても同時に6件の通報に対応できる。「位置情報通知システム」により、固定電話では登録住所から通報者の位置情報を知り、携帯電話ではGPSを利用して通報位置を絞り込み、センターの画面に表示。「自動出動指定装置」により、災害地点に最も近い車両を選別し出動部隊を自動的に編成、最短時間で現場到着を実現する。また、スマートホンからの通報には「映像通報システム」により、通報者が撮影した映像を消防に送信し、災害現場の状況を指令センターに伝えることで、迅速な災害対応に繋げ、また指令センターから効果的な応急手当の方法を映像で説明・指導することも可能。
その他の機能として▽センターと画像で情報共有できる「車両動態システム」を消防車と救急車に搭載▽消防署、分署等10か所の玄関付近には、通報者がセンターと通話できる「駆け込み通報装置」を設置。近くには持ち運びが可能なAEDも設置▽外国人からの119番通報や災害現場では、電話通訳センターを介し24時間365日主要な言語で応答する「三者間同時通訳サービス」で対応▽聴覚や言語に障害がある人が、スマートホンやWeb機器を活用して緊急通報をするNet119緊急情報システムのGPS機能により、位置情報がモニターに表示されチャットにより情報確認が行える等々ある。
昨年受けた119番通報は伊賀7608件、名張6078件で、平均すると1日約40件。両本部それぞれ通信指令室を置き、計26人が専従していたが共同運用で22人に削減でき、センターには常時6人が1日24時間365日従事する。
共同運用する通信指令センターは、県内では、四日市市、桑名市、菰野町の3消防本部による「三重県北消防指令センター」に続き2例目。指令センターの面積は約520平方㍍。開設の総費用は約6億4000万円で、その70㌫は国の補助金を利用する。
岡本市長は「2つの地域が力を合わせて、大変な労力でこのセンターが出来上がった。これから更に地域の皆さんと一緒に効果的に運用したい」と話し、北川市長は「伊賀市、名張市が共同することは大変有意義。これからも連携を深めていきたい」と述べた。