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上野天神祭大にぎわい

伊賀市の上野天神祭が3年ぶりに戻ってきた。国の重要無形民俗文化財に指定され、平成28(2016)年、「山・鉾・屋台行事」の部でユネスコ無形文化遺産に登録されている楼車と鬼行列が、秋晴れの上野の街を巡行した。新型コロナウイルス感染拡大により、ここ2年間は中止。今年は感染拡大防止のため、指定された場所以外の路上での屋台はなかったが、歩行者天国となった銀座通りをはじめ、上野の街は久しぶりのにぎわいを見せた。
上野天神祭は、400年余りの伝統を持ち、関西3大祭りの一つに数えられている。平成29(2017)年から、祭りの開催曜日が変更され、「25日までの日曜日」となり、今年は10月21日から23日の開催となった。
21日の宵々山では、だんじり会館から戻った3基をはじめ、9基がそれぞれの町内で展示、本番に備え、飾付など準備が行われた。ある長老は「巡行を長い間行わないと、忘れてしまうし、後継者が育たない。今年できて良かった」とほっとした様子で語ってくれた。
22日の足揃えの儀では、鬼行列がほら貝と太鼓の音と共に三之町筋を練り歩く。30年ぶりに新調した大御幣を先頭に役の行者や鬼が登場。なかでも人気のひょろつき鬼は、道いっぱいに暴れ出し、見物人のそばにやってくる。最後にやってくるのは鬼の頭領を成敗したと言われる鎮西八郎為朝。弓矢を持って威風堂々と練り歩く。楼車もカネや太鼓、笛を奏でながら、町衆に引かれ、銀座通りへと。3基が横並びに。町衆からは「初めて見た」「感動した」の声が聞こえる。夜は明かりが灯った提灯に照らされた楼車もまた美しい。
23日は神幸祭(本祭り)。菅原神社の神輿行列を先頭に、鬼行列が続き、今年の1番くじを引いた上野東町の「桐木」を先頭に9基の楼車が午前・午後と1日かけて城下町上野を巡行する。2年間寂しい思いをした上野の街の人は、この日を待ち望んでいた。カメラを構える人、飲み物を手にする人、鬼がやってきたのを見て、親にしがみついて泣く子ども、それを見て大笑いする大人、祭りを見に故郷に戻ってきた人、楼車を引く知り合いの町衆に手を振る人、約7万3000人(主催者発表)の見物人が思い思いに楽しんだ、3年ぶりの上野天神祭であった。
各地で秋祭り
秋はお祭りのシーズン。10月30日には名張の宇流冨志禰神社の秋の例大祭、11月3日には大村神社の例大祭、日本で一番遅い秋祭りと言われる12月20日の島ケ原の鸕宮神社祭、等々。コロナ対策に万全を期しながら、これからの祭りも楽しみである。