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大屋戸保育所で「さようならの会」

51年の歴史に幕
名張市立大屋戸保育所は3月16日、51年の幕を閉じることになり「さようならの会」が開かれ、園児42人や保護者、市の関係者など約150人が出席した。園庭に注ぐ春の日差しのもと、園児たちの演技やシャボン玉で、長く親しんだ保育所との別れを惜しんだ。
名張市立大屋戸保育所は昭和27(1952)年、民営の大屋戸愛児園として開園し、昭和48(1973)年、市内の保育所公立一本化に伴い、名張市立大屋戸保育所として発足した。以来51年間、本年度も含めると卒園児は632人。大屋戸愛児園時代も含めると907人となる。沿革によると、さらにその前は蔵持小学校の分校であり、明治5(1872)年迄遡る。
井上佳美所長(60)は「市立の保育所になって51年、幕を閉じようとしています。その前は大屋戸愛児園で約20年、その前の蔵持小学校の分校の時代も含めると、約150年の間、ここには子どもたちの声が響いていたことになります。この声が無くなってしまいますが、寂しくなると言って頂く地域の方はじめ、多くの方には感謝しかありません」と話し、子供たちに向かって「ここで過ごすのもあと10日ほどしかありません、楽しい思い出を忘れないで、そして楽しい思い出作りをしてください」と語りかけた。この後子どもたちは、年齢ごとのクラスで、「チューリップの歌」や「また会える日まで」を歌ったり、「パプリカ」のダンスを披露し、最後にはシャボン玉飛ばしをして、保護者と共に名残を惜しんだ。
少子化で園児数の著しい減少や、ニーズの多様化に対応するため、名張市は一昨年、市立桔梗南幼稚園、昨年は市立名張幼稚園を閉園した。今年の大屋戸保育所と合わせて統廃合の上、新たに今年の4月、社会福祉法人名張厚生協会・名張きぼうのこども園(定員85人・丸之内)を開園する。当保育所の子どもたちは、卒園児を除き新しいこども園に通所することになる。
保護者会「白梅会」の中島美咲会長は、「6歳の長女と3歳の次女がお世話になった。無くなるという実感は間際になる迄なかったが、さようならの会が始まると、地域の人々にお世話になった事や、子どもたちに接してくれる先生方の温かさが重なって思い出され、涙が出てきた。良い保育所でした」と懐かしんだ。
市によると、当保育所は借地のため、令和6年度中に建物を解体し、更地にして返却するとのこと。