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日本サンショウウオセンター 新水槽完成

名張市の赤目四十八滝の入り口にある「日本サンショウウオセンター」に新しい水槽が完成し1月25日、お披露目式が行われた。四十八滝ツアーコース最奥の「岩窟滝」の風景の一部を擬岩等で模し、流れ込む滝の水と滝つぼに生息するオオサンショウウオの風景を演出。実際に川の水を回流させる「水族館」の展示とした。
1950年頃開館した当センターで飼育展示しているのは、日本固有種(特別天然記念物)、中国産、交雑種、ウーパールーパ等で、幅90㌢×奥行き60㌢×高さ60㌢の画一的な水槽が約20。殆ど装飾も無い地味な「現物展示」で、素通りする観光客も多く、過去には外国人観光客から「サンショウウオが可哀そう」と言われたこともあるという。昨年から名張市は、地域創造アドバイザーで水族館プロデューサーの中村元さんから、赤目渓谷について様々なアドバイスを受けており、サンショウウオセンターについても、サンショウウオだけでなく、渓谷の生き物や自然を取り入れた「水族館にする」も、その一環。そのスタートが今回の水槽の完成である。
岩窟滝の風景感じて
新水槽は、幅約250㌢×奥行き約150㌢×高さ約120㌢で抜群に大きく、水のせせらぎや小鳥の声などが効果を発揮し、広々した自然空間を感じさせている。岩窟滝は、センターから3290㍍、徒歩1時間半ほどの距離にあり、飼育主任の朝田光祐さん(22)は「歩いていくことが難しいお年寄りや子どもさんなどにも、最奥の岩窟滝の風景を見てもらいたいと思って作った」と話し「他の水槽も順次改良していきたい」と、やる気満々。
お披露目式で、NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会の小川貴司理事長(67)は「新水槽が、赤目滝に今までにない魅力を発信する目玉となるよう期待している」と挨拶し、北川裕之名張市長は「名張を元気にする観光振興の、まさに今日はスタートラインだ」と祝辞を述べた。その後センターが飼育している日本固有種で体長105㌢のオオサンショウウオが1匹、水槽に放たれた。川上ダム建設の現場で保護された推定年齢20歳ぐらいの個体という。
保勝会の玖村健史ゼネラルマネージャー(47)は「中村さんの指導のもと、サンショウウオセンターを赤目渓谷水族館にするように着々と計画を進めている。今日はその手ごたえのあるスタートだ」と意気込みを話した。
中村さんは渓谷のバリアフリー化についてもアドバイスしており、国定公園を管理する三重県にも相談して調査を進めている。