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能登の復興・世界の平和に祈りを込めて 美旗中村どんど焼き

名張市美旗中村農村公園で1月8日、新春「どんど焼き」が行われた。この地区で360年以上前から続いていて、もともと子どもたちの正月行事であった。しかし少子化で子ども会だけでは運営できなくなり、平成17(2005)年に「美旗中村どんど保存会」を立ち上げ後世に継承することになった。どんどは、太目の青竹を中心にして周囲に青竹12本をねじり上げて束ねるが、今年は1本多く13本、計14本の竹を束ね、先端に藁で作った馬を飾って立ち上げた。高さは17㍍になった。根元の方を藁やヒノキの葉で覆って直径3メートルほどのかまくらを作った。ここには正月飾りや、前年のお札などを入れる。柱に沿って掲示する標語は毎年地区で募集するが、今年は25人から35作集まった。採用された標語は「どんどたて 見上げて祈る 辰の年」。
近隣の人々が続々と集まる中、午前7時から大福寺住職による「撥遣の作法」で祈りが捧げられ、どんどに火が入れられた。炎と煙が見上げる高さに一気に燃え上がり、歓声が沸き起こる。やがて火が収まると人々は約2メートルの長さの竹棒の先に餅を刺して焼いた。これを食べると1年間病知らずになるという。家に持って帰って家族みんなで小豆粥にする人も多いらしい。
赤目の相楽から嫁に来たという大森さん、上野の比自岐から19歳の時嫁いできた福永さん、ここで生まれ、ここで結婚したという豊永さん。今年88歳になるという同い年3人の女性、皆さん言葉がはっきりして歳を感じさせない。「3人とも毎年この祭りを楽しみにしている。孫、子どもと3代の家族がみんな揃って元気なのも、この餅を食べているおかげ」と話したが、福永さんには昨年もここで会っている。記者をしっかり記憶しているのに感心した。
保存会の髙波秀彦会長は「いつもは五穀豊穣を祈念するが、今年は能登の早期復興と、世界平和を祈念する。この行事はこれからもずっとずっと長く続けて行く」と力強く話した。